◎事業団通信


指定助成対象事業の内容と当事業からの成果資料、催事の紹介

助成部


指定助成対象事業の内容と当事業からの成果資料、催事の紹介

 畜産振興事業団が行っている事業に、畜産の振興流通の合理化等に資する事業
(指定助成対象事業といいます。)に対する助成(補助、出資)があります。

  指定助成対象事業は、これまで、主として畜産物の需給や価格、経営の動向等、
畜産をめぐる内外の変化に対して安定した経営や流通を育成するための事業を実施
してきております。特に牛肉の輸入数量制限の撤廃が昨年、決定されたこと等に伴
って、昭和63年度以降は国際化に対応し得る我が国畜産の存立を確保するための
措置に重点をおいて生産から流通、加工に至る各段階での各種事業の拡充強化を図
るとともに、とりわけ大家畜経営の安定対象、流通の合理化対策等を重点的に実施
してきております。平成元年度は、39事業、予算額約635億円の事業を予定し
ております。

  当欄では、指定助成対象事業の性格、また、本事業によって企画又は実施された
中から、大家畜生産に携わる皆様の参考になると思われる資料、更に流通、消費に
関する事業のうち当面予定されている催事について紹介いたします。

★「指定助成対象事業」とは

  畜産物の価格安定等に関する法律で「主要な畜産物の流通の合理化のための処理
若しくは保管の事業、畜産の経営若しくは技術の指導の事業、肉用牛の生産の合理
化のための事業その他の畜産の振興に資するための事業で農林水産省令で定めるも
の」と規定されており、農林水産省令では、助成対象事業及び助成対象事業者につ
いて規定しております。

  国が行っている補助事業と指定助成対象事業との関係は、次のようになっていま
す。指定助成対象事業は、国の畜産施策を促進するための事業、緊急に行う必要の
ある事業及び国の補助事業の補完・円滑化のための事業と位置づけられております。

  最近の指定助成対象事業は、足腰の強い畜産経営の育成のための生産・経営対策
と流通・消費対策に分けることが出来ます。

  生産・経営対策としては、畜産経営体質強化緊急特別指導事業、利子補給を行う
大家畜経営体質強化資金特別融通助成事業及び養豚経営安定資金特別融通助成事業、
低コスト生産推進対策事業、生乳需給調整基金造成事業等があります。

  流通・消費対策としては、畜産物の流通消費合理化促進事業、食肉等流通施設整
備事業等があります。これらを通じて、良質で安価な畜産物の安定供給に資するこ
ととしております。

  特に昭和63年度においては、畜産関係自由化関連対策の一環として、肉用子牛
の価格安定対策、肉用牛の肥育経営安定対策、牛肉の流通合理化対策等が緊急に追
加・拡充されたことは御記憶に新しいことと思います。

  このように指定助成対象事業は、国の施策との関連で機動的に運用されておりま
す。

  なお、指定助成対象事業は、国の一般予算と同様に大蔵省の査定を受け実施され
るとともに、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の対象ともなっ
ております。

★畜産経営基盤の安定に向けて

 我が国の畜産が今後も安定的に発展するためには、国際的な動きの中で、また消
費者ニーズを見極めつつ、いかに自己の経営や生産技術の向上を図っていくかが重
要となります。特に経営管理や低コスト生産技術の確立は重要な事項であります。

  そこで、これら関連の指定助成対象事業の中から経営の合理化や技術の向上を図
るための指針として(社)中央畜産会がまとめ、関係機関に配布している資料等に
ついて紹介させて頂きます。

 肉用牛低コスト生産のための指導マニュアル
  
  繁殖・肥育別にコスト低減を柱として、生産技術及び経営管理技術について効率
性や経済性を加味しながら、個別具体的なテーマを76項目に分け、それぞれにつ
いて大学教授や畜産各分野の専門家の方々に各種データを折り込んで解説願ったも
の。

 低コスト生産技術・低コスト生産経営事例報告書
  
  酪農及び肉用牛について各県ごとの低コスト生産技術・低コスト生産経営の先進
的事例647を取りまとめ、それぞれの事例毎に経営状況、土地利用状況、低コス
ト技術の具体的内容及びコメントを一覧に取りまとめるとともに、これら経営体の
分析を行っているもの。

 肉用牛畜舎建築参考資料集
  
  低コスト畜舎の建築事例の実態調査を行い、経営・畜舎の概要に併せて、低コス
ト化のポイント、創意工夫点、畜舎使用上の利点等を写真入りで、整理している小
冊子。

畜産施設機械保守管理、基礎技法マニュアル

  一般的に広く利用されている畜産施設・機械の保守管理に関する基礎的な技法を
絵入りで平易に解説している小冊子。

 自由化への挑戦!  低コスト生産を目指して(ビデオテープ。肉用牛繁殖経営偏、
肉用牛肥育経営偏、各30分)

  ビデオで、低コスト化のための具体的な畜舎の建設、自給飼料生産、経営管理等
を平易に解説しているもの。(各種の研修会等での利用に便利)

  中央畜産会では、この他にも様々な資料等を印刷し、関係機関に提供しておりま
す。

  上に紹介した冊子を含め、残部のあるもの、実費で販売しているものなどが有り
ますので各都道府県畜産会にお問い合わせ下さい。

★流通・消費対策関係各種イベント等
  
  指定助成対象事業では、流通・消費対策として流通施設の整備等のハード事業を
始め、食肉、乳製品の新商品の開発、さらに消費の拡大等のため消費者への畜産物
の調理法、正しい知識の普及についての広報関係事業にも助成しております。

  ここでは、当面予定されている食肉及び牛乳乳製品関係のイベント等について紹
介いたします。当イベント等は、一般消費者の方々の参加も期待しております。

=食肉関係=
  食肉と健康に関する地域フォーラム

  人生80年時代を快適かつ充実した過ごすため、毎日の食事、なかでもたんぱく
質を主体に栄養バランスを考え、食肉についての正しい知識の普及を図るため医学
・栄養学の専門家(大学教授等)の講演を中心としたフォーラムの開催。
  平成2年1月25日(木)名古屋
(主催  (財)日本食肉消費総合センター
TEL  03−584−0291)

 国際豚肉等新規用途開発事業

  肩肉、もも肉、バラ肉、レバー、ハツ等のいわゆる低級部位等を利用した新製品
の開発とこれらの展示・試食会の開催及び市場性調査
  平成2年2月27〜28日  東京
  〃2年3月14〜15日  大阪
(主催  日本ハム・ソーセージ工業協同組合
TEL  03−441−1211)
 
 チキン・クッキングコンテスト

  鶏肉を利用した、各家庭でのオリジナル料理、アイデア料理のコンテスト。
  地方予選から選ばれた主婦等40名が東京での全国大会で料理の腕を披露
  平成2年2月20日  東京
(主催  (社)日本食鳥協会
TEL  03−863−6145)

=生乳・乳製品関係=
  スポーツと栄養に関するシンポジウム等

  スポーツと栄養(スポーツ栄養学)をテーマにスポーツ指導者を対象とした国際
シンポジウム、また、スポーツ指導者及び選手、少年チームの父母等を対象のセミ
ナーを開催、具体的には、
  ア)国際スポーツ栄養シンポジウム
  平成2年2月3日  東京
  イ)スポーツ栄養セミナー
  平成2年1月20日  福岡
(主催  (社)全国牛乳普及協会
TEL  03−262−7181)

 牛乳・乳製品フェア

  牛乳・乳製品に関する正しい知識及び利用方法等の普及のため「健康・スポーツ
・カルシウム」を基本コンセプトとして開催
  平成2年1月23日〜28日  札幌
  同上  2月9日〜14日  旭川
  〃    2月22日〜27日  帯広
(主催  北海道牛乳普及協会
TEL  011−251−2561)

 牛乳・乳製品料理コンクール

  牛乳・乳製品を利用した、各家庭でのオリジナル料理、アイデア料理についての
コンテスト地方予選で選ばれた主婦等46名が東京での全国大会で料理の腕を披露
平成元年12月3日  東京
(主催  (社)全国牛乳普及協会
TEL  03−262−7181)

  詳細については、各団体で配布する案内等を御覧いただくか、関係団体にお問い
合わせ下さい。

  なお、各団体では、消費の促進、知識の普及等のパンフレット等も作成しており
ます。これらについても御利用下さい。


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