畜産物需給の概況


(1) 消費動向

 畜種によって跛行性を強める消費量

・ 畜産物消費量は、昭和50年代後半から一時、総じて伸びが鈍化してきたものの、
 60年代に入って種類によって伸びが増大するもの、停滞するもの等バラツキがで
 てきている。

・ すなわち、@高い伸びを続ける牛肉、Aテンポは落ちているものの、順調な伸
 びをつづける鶏肉、B一時の停滞から回復に転じた牛乳、乳製品、C一時(61、
 62年度)伸びたものの、低い伸びにとどまる豚肉、鶏卵に大別される。


(2) 生産動向

 耕種に比べて高い伸びの畜産

・ 生産は、一定のタイムラグをおいて畜産経営の収益性に影響されながら、一部、
 政策要素も加わって増減を繰り返している。その伸びは、消費量に比較してやや
 低い伸びにとどまっているものの、農業全体の伸びにくらべるとかなり高い伸び
 となっている(55年から63年にかけての指数でみた農業総合指数の伸び4.4%増、
 同畜産総合12.9%増)

・ 畜種別には、@計画生産実施下で消費増に見合っておおむね一定の生産増のみ
 られる鶏卵、牛乳・乳製品、A生産増はあるものの、輸入もある程度増加してい
 る豚肉、鶏肉、B旺盛な需要に生産が追いつかない牛肉に大別できる。

(3) 価格動向

 牛肉を除いてかなりの低下

・ 価格は、需要に対する、その時々の輸入を含む供給量の多寡によって、形成さ
 れている。生産性の向上に加えて、コストの大宗を占める飼料費の低下に伴って
 経営の収益性が向上し、この結果、生産量の増大した中小家畜の価格低下が著し
 く、ついで生乳もかなりの低下となっている。

・ しかし、収益性の向上が子牛生産ひいては牛肉生産の増大につながるまでにか
 なりの時間のかかる牛肉については、生産の伸びが小さく、大幅輸入増にもかか
 わらず、価格は、安定した動きを示している。
 

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