牛乳・乳製品

(1)　生乳の生産動向

　高い伸びの続く生産、とりわけ北海道は高水準

・54年度以降生産者団体は、計画生産を実施。

・飲用需要が好調に伸びたこと等により、62年度の生産は前年を上回った（対前年度
  比0.9％増）。

・63年度上期の生産は、低い伸びにとどまっていたが、後半は、上向きとなり63年度
  計では前年度をやや上回る生産となった。（対前年度比3.9％増）

・平成元年度に入っても比較的高い伸びが続いている（8月6.0％増）とりわけ、北海
  道は、8月9.2％増と高水準で推移（表1）。


表1　生乳の生産量・処理量

年度
年月

 生乳生産量 用途別処理量
合　計 北海道 都府県 飲用向け 乳製品向け
数量
(千ﾄﾝ)

前年比
(％)

 数量
(千ﾄﾝ)		 前年比
(％)		 数量
(千ﾄﾝ)		 前年比
(％)		 数量
(千ﾄﾝ)		 前年比
(％)		 数量
(千ﾄﾝ)		 前年比
(％)
61
62
63		 7,361
7,427
7,718		 99.0
100.9
103.9		 2,617
2,663
2,799		 99.2
101.8
105.1		 4,744
4,764
4,919		 102.0
100.4
103.3		 4,342
4,598
4,822		 100.8
105.9
104.9		 2,836
2,656
2,776		 94.1
93.6
104.5
63. 8
9
10
11
12
元. 1
2
3
4
5
6
7
8		 648.7
623.8
638.8
603.5
631.4
645.4
598.3
679.9
680.6
721.1
703.6
705.5
687.8		 102.5
103.5
104.4
105.0
106.1
106.8
104.1
107.3
106.2
106.2
106.5
105.8
106.0		 243.8
233.4
233.4
215.5
225.3
228.7
210.2
238.7
241.4
263.8
270.9
272.5
266.2		 102.9
104.7
105.9
106.9
108.7
109.5
106.0
108.4
107.9
107.7
108.8
108.2
109.2		 405.0
390.4
405.4
388.0
406.1
416.7
388.1
441.2
439.2
457.3
432.7
433.0
421.5		 102.2
102.8
103.6
104.0
104.7
105.4
103.0
106.7
105.2
105.4
105.1
104.4
104.1		 393.9
428.5
424.2
393.0
387.0
373.3
372.9
398.5
407.5
429.6
437.0
441.3
414.3		 102.7
104.5
105.5
105.5
107.8
107.0
102.4
107.3
105.8
102.8
102.7
104.7
105.2		 245.0
185.8
204.8
201.1
234.9
262.8
216.2
270.9
261.9
280.5
255.9
253.3
263.3		 104.9
104.6
105.0
106.6
105.5
108.4
108.5
108.1
106.8
112.1
114.1
107.9
107.5		 
資料：農林水産省「牛乳乳製品統計」

・なお、最近は、乳用牛のと殺頭数が減少している。とりわけ、乳用雌のと殺が急減し
  ている。

・格付け結果からみると、乳用種の雌のと殺のうち従来、肥育に回っていたと見られる
  未経産の雌のと殺減が著しい。

・この結果、本年8月の経産牛頭数は、前年同月比2％増となった。

(2)　飲用牛乳等の需給動向

好調な需要

・62年度以降、飲用牛乳の消費は、飲用牛乳の成分がグレードアップされたこと、好天
  に恵まれたこと等の要素に加え、小売価格が弱含みで推移しているため、好調に推移
  し、63年度においても、引き続き好調。

・生乳の飲用向け処理量も63年度は482万2,000トン（前年度比4.9％増）と増加した。

・平成元年度に入って、飲用向け処理量は、伸びが2年続いたことなどから5､6月と増加
  テンポがやや鈍化したものの、7､8月は回復傾向（7月同4.7％増、8月同5.2％増）。

(3)　乳製品の需給、価格動向
　
引き締って推移　

・62年度は、飲用需要の好調もあって乳製品の生産は前年を大幅に下回り（62年度対前
  年度比、バター14.3％減、脱脂粉乳9.5％減）、在庫の取り崩しが進んだ（表3）。

・63年度は、飲用需要が好調なことから、生乳充当が飲用向けに傾斜し、乳製品の需給
  は引き締まり、価格は強含みの傾向を示したが、秋以降、畜産振興事業団による脱脂
  粉乳、バターの輸入・放出の実施による効果が漸次浸透し、価格は低下のきざしを示
  したものの、依然、安定指標価格を相当上回る水準で推移（表2）。

　　脱脂粉乳　　25,000トン　　（輸入枠及び輸入決定量）
　　バター　　　21,000トン　　（　　　　〃　　　　　）　

・元年度に入っても、乳製品の需給は依然引き締り、価格は引き続き高水準で推移する
  とみられることから、脱脂粉乳、バターの輸入枠を設定するとともに、当面の輸入・
  放出を決定。

　　　　　　　　　輸入枠　　　　うち当初の輸入決定量　

　　脱脂粉乳　　13,000トン　　　　　　8,000トン　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　バター　　　10,000トン　　　　　　5,000トン　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　（9月3,000トン追加）　　　　　　　　　　　　　　　

・ その後、乳製品向けの処理量の増加、事業団によるバター及び脱脂粉乳の放出（4〜8
   月までにバター5千トン、脱脂粉乳11千トン）により、一時に比べ逼迫感が薄らいでい
   るものの、価格は依然高水準で推移（表2）。


表2　主要乳製品の生産・価格

年度
年月

 乳　　　　　　　製　　　　　　　品
バ　　　タ　　　ー 脱　　脂　　粉　乳
生産量
（トン）		 前年比
（％）		 価格
(円／kg)		 前年比
（％）		 生産量
（トン）		 前年比
（％）		 価格
(円／kg)		 前年比
（％）
61
62
63		 80,989
69,328
70,557		 89.2
85.6
101.8		 1,161
1,081
1,165		 89.1
93.1
107.8		 171,502
155,197
163,416		 92.0
90.5
105.3		 13,643
13,451
13,932		 97.0
98.6
103.6
63. 8
9
10
11
12
元. 1
2
3
4
5
6
7
8		 6,344
4,244
4,952
5,012
5,267
6,979
5,664
7,373
6,966
7,669
7,158
6,734
6,894		 108.4
97.4
97.6
100.4
98.5
113.8
112.0
109.8
110.0
112.2
125.6
115.1
108.7		 1,167
1,184
1,189
1,189
1,186
1,184
1,180
1,180
1,212
1,212
1,212
1,212
1,212		 108.8
110.2
110.5
110.3
109.4
108.5
107.6
107.4
108.6
108.2
106.9
105.4
103.9		 14,625
10,807
12,108
11,585
13,322
15,001
12,487
15,815
15,062
16,646
16,070
15,300
16,131		 111.8
100.1
105.5
106.3
103.1
113.9
108.6
107.7
100.8
107.4
118.8
111.7
110.3		 13,960
14,030
14,060
14,060
14,050
14,030
14,030
14,030
14,451
14,451
14,451
14,451
14,430		 104.0
104.4
104.6
104.5
104.3
103.9
103.7
103.5
105.8
105.6
105.2
104.4
103.4		 
資料：農林水産省｢牛乳乳製品統計｣､｢農村物価指数｣｡乳製品価格は畜産局調べ｡
　　　平成元年4月以降は消費税額分を含む｡

表3　乳製品の在庫(各年度)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（単位：千トン､ヵ月）

　＼

 区分 バ　　タ　　ー 脱脂粉乳
年度

＼

 民　間 事業団 計 民　間 事業団 計

50年度
55
56
57
58
59
60
61
62
63

 　6(1.5)
16(3.1)
　7(1.3)
12(2.1)
17(2.8)
20(3.3)
30(4.6)
29(4.4)
12(1.8)
16(2.2)		 0
12(2.3)
12(2.1)
　3(0.5)
　1(0.2)
0
0
0
0
0		 　6(1.5)
28(5.4)
19(3.4)
15(2.6)
18(3.0)
20(3.3)
30(4.6)
29(4.4)
12(1.8)
16(2.2)		 18(2.4)
31(3.3)
16(1.5)
24(2.0)
23(1.9)
22(1.5)
32(2.3)
36(2.5)
13(0.9)
18(1.2)		 0
44(4.7)
44(4.2)
22(1.9)
　9(0.7)
　8(0.6)
　8(0.6)
　7(0.5)
　7(0.5)
　4(0.3)		 18(2.4)
75(8.0)
59(5.7)
45(3.8)
32(2.7)
30(2.1)
40(2.8)
43(3.0)
20(1.4)
23(1.5)

資料：牛乳乳製品課調べ

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