鶏肉


(1) 消費
 伸びは鈍化しているものの引き続き増加

・ 鶏肉の消費量は、最近伸びは鈍化しているものの、引き続き増加している。2
 年度に入って推定出回り量は、前年水準をはさんで変動しているものの、4〜10
 月では前年同期比1.2%増となっており、消費は安定的に推移しているものとみ
 られる(図34)。

・ 鶏肉の消費構成のうち、約1/3を占める家計消費は2年度に入って前年を下回
 って推移している(4〜9月前年同期比95.1%)。

  一方、近年、順調に増大してきた加工仕向は2年度に入ってからはほぼ前年を
 下回って推移しており、4〜9月では対前年同期比2.5%減となっている。
 
(2) 生産
 低い伸びから横ばいへ

・ 鶏肉の生産は、需要の伸びに対応して増加してきたが、卸売価格の低迷等によ
 り、60年度以降伸びが鈍化し、63、平成元年度は、横ばいで推移してきた。2年
 度に入ってからも、おおむね同様の傾向で推移しており、4〜10月は前年同期比
 99.5%と前年水準を若干下回った(図36)。

・ ブロイラー用ひなの出荷羽数は63年度以降は前年度を若干下回る水準で推移し
 ており、2年度に入っても同様の傾向で推移してきたが、10月は初めて前年同月
 を上回った(前年同月比101.7%)。

・ 12月及び1月のブロイラー用ひなの出荷羽数はそれぞれ、前年同月比1%減、3
 %減と見通され、また、ブロイラー出荷羽数はそれぞれ3%減、1%増と見通され
 ている。

(3) 輸入
 元年度以降伸びは鈍化

・ 輸入は、61年度以降63年度まで円高等により大幅に増加した。

  元年度は、輸出国の高値基調、円安基調により伸びが鈍化した(対前年度比8.
 7%増)。

・ 2年度に入ってからは、おおむね前年並み又は前年を下回る水準で推移してお
 り、10月は対前年同月に比べ高い伸び(10.4%増)を示したものの、4〜10月で
 は、対前年同期比2.2%増と比較的低い伸びにとどまった(図37)。

・ 生産、輸入とも前月を大幅に上回ったものの、消費も前月に比べ増大したこと
 から鶏肉の10月の推定期末在庫は63千トン(対前年同月比97.7%)へと前月に引
 き続き減少した(図38)。

(4) 価格
 2年度に入っても強含み

・ 卸売価格は、57年度以降、特に62年度には、円高の進行もあり輸入が急増し、
 大幅な下落となった。

・ 元年度は輸入物の価格上昇等により前年度をかなり上回り(前年度比16.1%高)、
 2年度に入っても、強含みで推移している(10月255円/kg、前年同月比7.1%高)
 (図39)。


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