豚肉


(1) 消費
 伸びは鈍化はしているものの引き続き増加

・ 豚肉の消費量は、最近伸び率は鈍化しているものの引き続き増加している。平
 成元年度も同様の傾向で推移している(表9)。

・ 家計消費は減少傾向が続いたが平成元年度に入って若干増加ないし横ばいで推
 移している(4〜11月期(対前円同期比)1.1%増)。

・ 加工用需要は、近年の需要拡大の中心的役割を果たしているが、63年度以降伸
 びが若干低下してきている(4〜11月期同2.9%増)。

(2) 生産
 低い伸び

・ 50年代後半は、計画生産の推進により安定的に推移してきたが、60年度は配合
 飼料価格の相次ぐ値下げ等により生産が大幅に増加したものの、一転して61年度
 は前年度をわずかに下回った。

・ 62年度は、生産環境が良好であったこと、生産性の向上などを反映し増加した
 ものの、63年度は、前年並みの水準で推移した。

・ 本年度に入っては若干の増加が続いている(表9)。

(3) 輸入
 本年度に入って伸びは大幅鈍化

・ 輸入は近年加工需要を主体に20万トン程度で推移してきたが、62年度から63年
 度にかけて円高、加工用需要の増大等の影響もあり大幅に増加した(表9)。

・ 本年度に入っても増加傾向で推移してきたが、7月以降9月までサルファメタジ
 ンの検出による台湾産の減少もあって前年同月比8割台にとどまった(表9)。

表10 豚肉需給
年度年月 推定期首在庫 生 産 量 輸 入 量 推定期末在庫 推定出回り量
数量
(トン)
前年比(%) 数量
(トン)
前年比(%) 数量
(トン)
前年比(%) 数量
(トン)
前年比(%) 数量
(トン)
前年比(%)
61
62
63
65,450
37,295
46,399
124.4
57.0
124.4
1,090,559
1,114,455
1,103,906
99.9
102.2
99.1
204,743
290,442
338,724
107.6
141.9
116.6
37,295
46,399
60,440
57.0
124.4
130.3
1,323,457
1,395,793
1,428,589
104.3
105.5
102.3
63.12
元. 1
2
3
58,649
59,958
62,364
62,471
123.5
125.2
123.4
122.7
103,307
88,828
86,932
97,910
97.6
100.7
96.0
102.0
29,653
20,831
19,278
26,478
109.6
121.7
105.7
172.7
59,958
62,364
62,471
60,440
125.2
123.4
122.7
130.3
131,650
107,253
106,103
126,419
99.4
104.5
97.9
109.2
4
5
6
7
8

9
10
11

12
4〜12
1〜12
60,440
59,394
65,191
68,404
68,196

67,837
63,680
71,138
77,462
60,440

59,958
130.3
139.7
137.9
132.3
128.3

124.6
121.7
127.1
132.1
130.3

125.2
89,771
91,990
88,882
84,798
89,924

90,376
99,666
101,736
104,578
841,721
1,115,391
95.4
105.9
103.3
102.1
103.6

99.1
101.7
100.6
101.2
101.4

100.9
18,389
34,432
34,856
28,338
28,745

24,839
38,015
37,979
32,517
278,108
344,695
102.6
133.2
104.8
89.7
89.3

80.9
111.3
103.1
109.7
102.2
106.8
59,394
65,191
68,404
68,196
67,837

63,680
71,138
77,462
81,043
81,043
81,043
139.7
137.9
132.3
128.3
124.6

121.7
127.1
132.1
135.2
135.2
135.2
109,206
120,625
120,524
113,344
119,028

119,371
130,223
133,391
133,514
1,099,226
1,439,001
94.3
111.9
104.9
100.1
101.1

96.3
101.3
98.7
101.4
100.9

101.6
資料:農林水産省「食肉流通統計」、大蔵省「日本貿易月表」、在庫量(通関済+国内産)は事業団調べ。
注:1) 推定出回り量=推定期首在庫+生産量+輸入量−推定期末在庫
  2) 数量は部分肉ベース

(4) 価格
 おおむね安定的に推移 

・ 卸売価格は近年、季節的な変動を伴いつつもおおむね安定価格帯の範囲内で安
 定的に推移してきた。

・ 63年度前半は、一時期安定上位価格を超える等堅調に推移したが後半は、おお
 むね安定基準価格付近で推移し、平成元年1月は、安定基準価格を下回ったがそ
 の後回復した。

・ 本年度に入っても季節的に6月〜8月にかけては500円/kgを上回って推移した
  が、9月、10月と下げ、11月は安定基準価格程度まで低下した。しかし、12月、
  1月とやや回復している。


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