牛乳・乳製品

(1)　生乳生産
　
高い伸びが続く。とりわけ北海道は高水準

・　54年度以降生産者団体は、計画生産を実施している。

・　飲用需要が好調に伸びたこと等により、生産は62年度から前年を上回り63年度
　前年度比3.9％増となった。

・　平成元年度に入って高い伸びが続いているがとりわけ北海道は、高水準で推移
　している（表2、12月対前年同月比　全国105.7％、北海道109.4％）。

表2　生乳の生産量・処理量

年度
年月

 生乳生産量 用途別処理量
合　計 北海道 都府県 飲用向け 乳製品向け
数量
(千ﾄﾝ)

前年比
(％)

 数量
(千ﾄﾝ)		 前年比
(％)		 数量
(千ﾄﾝ)		 前年比
(％)		 数量
(千ﾄﾝ)		 前年比
(％)		 数量
(千ﾄﾝ)		 前年比
(％)
61
62
63		 7,361
7,427
7,718		 99.0
100.9
103.9		 2,617
2,663
2,799		 99.2
101.8
105.1		 4,744
4,764
4,919		 102.0
100.4
103.3		 4,342
4,598
4,822		 100.8
105.9
104.9		 2,836
2,656
2,776		 94.1
93.6
104.5

63.12
元. 1
2
3

 631.4
645.4
598.3
679.9		 106.1
106.8
104.1
107.3		 225.3
228.7
210.2
238.7		 108.7
109.5
106.0
108.4		 406.1
416.7
388.1
441.2		 104.7
105.4
103.0
106.7		 387.0
373.3
372.9
398.5		 107.8
107.0
102.4
107.3		 234.9
262.8
216.2
270.9		 105.5
108.4
108.5
108.1
4
5
6
7
8
9
10
11
12
4〜12
1〜12		 680.6
721.1
703.6
705.5
687.8
655.2
674.3
640.5
667.3
6,136.0
8,059.6		 106.2
106.2
106.5
105.8
106.0
105.0
105.6
106.1
105.7
105.9
106.0		 241.4
263.8
270.9
272.5
266.2
252.3
251.1
236.2
246.4
2,300.9
2,978.4		 107.9
107.7
108.8
108.2
109.2
108.1
107.6
109.6
109.4
108.5
108.4		 439.2
457.3
432.7
433.0
421.5
403.0
423.2
404.3
420.9
3,835.1
5,081.2		 105.2
105.4
105.1
104.4
104.1
103.2
104.4
104.2
103.6
104.4
104.6		 407.5
429.6
437.0
441.3
414.3
444.9
432.8
407.3
388.6
3,803.3
4,947.9		 105.8
102.8
102.7
104.7
105.2
103.8
102.0
103.6
100.4
103.4
103.9		 261.9
280.5
255.9
253.3
263.3
200.3
231.3
223.3
268.5
2,238.3
2,988.1		 106.8
112.1
114.1
107.9
107.5
109.8
112.9
111.0
114.3
110.5
109.9		 
資料：農林水産省「牛乳乳製品統計」

・　なお、最近は、乳用牛のと殺頭数が前年同月比で1割近い減少を続けている。
　このうち雄は、おおむね前年並にまで回復しているものの雌は15％近く前年を下
　回っており、保留意欲の強さがうかがわれる。

・　格付け結果から見ると、乳用雌のうち、未経産牛の減少が著しい（4〜12月期
　前年同期比78.3％巻末資料参照）。

・　この結果、昨年8月の経産牛飼養頭数は、前年同月比2％増となっている。

(2)　飲用牛乳等の需給

　
好調な需要の伸びも鈍化へ

・　62年度以降、飲用牛乳の消費は、飲用牛乳の成分がグレードアップされたこと、
　好天に恵まれたこと等の要素に加え、小売価格が弱含みで推移しているため、好
　調に推移し、63年度においても、引き続き好調に推移した。

・　生乳の飲用向け処理量も63年度は482万2,000トン（前年度比4.9％増）と増加
　した。

・　平成元年度に入って、飲用向け処理量は、伸びが2年続いたことなどから前半
　は引き続き好調に推移したが9月以降やや鈍化傾向に転じ、12月には0.4％増と
　わずかな増加にとどまった。仕向けの大宗を占める飲用牛乳消費は、12月は0.2
　％増とおおむね前年並みとなり、このうち牛乳は17ヵ月ぶりに前年を下回る0.8
　％減となった。

(3)　乳製品の需給、価格動向


需給は改善、価格は軟化傾向　

・　62年度は、飲用需要の好調もあって乳製品の生産は前年を大幅に下回り、在庫
　の取り崩しが進んだ（表4）。

・　63年度も、飲用需要が好調なことから、乳製品需給はひっ迫し、このため、畜
　産振興事業団はバター、脱粉の輸入・放出を実施した。この結果、価格は低下の
　きざしをみせたものの、依然、安定指標価格を相当上回る水準で推移した。

63年度の輸入枠及び売買数量

　　 バター 脱粉
輸入枠 21,000t 25,000t
買入数量 20,998 22,058
売渡数量 20,998 25,275 
・　平成元年度に入っても、乳製品の需給は依然引き締まり、価格は高水準で推移
　したことから、事業団はバター、脱粉の輸入及び手持分も含めた受渡しを実施し
　た。一方、生乳生産も増勢が強まり、反面、飲用需要が鈍化したことから乳製品
　向け処理量も高い増加を続けていることから価格も軟化傾向に転じている。しか
　し末だ、安定指標価格に比べて高い水準にある（表3）。

平成元年度の輸入枠及び売買数量

　　 バター 脱粉
輸入枠 10,000t 13,000t
買入数量 7,909 7,958
売渡数量 7,909 14,253 
・　なお、国産チーズに仕向けられた生乳量は、昭和62年度219.012トン、63年度
　は、生乳需給のひっ迫により前年を下回る208.671トン（対前年度比95.3％）と
　なったが、平成元年度は高いテンポで増加している（4〜12月178,335トン、前年
　同期比115.3％）。

表4　主要乳製品の生産・価格

年度
年月

 乳　　　　　　　製　　　　　　　品
バ　　　タ　　　ー 脱　　脂　　粉　　乳
生産量
（トン）		 前年比
（％）		 価格
(円／kg)		 前年比
（％）		 生産量
（トン）		 前年比
（％）		 価格
(円／kg)		 前年比
（％）
61
62
63		 80,989
69,328
70,557		 89.2
85.6
101.8		 1,161
1,081
1,165		 89.1
93.1
107.8		 171,502
155,197
163,416		 92.0
90.5
105.3		 13,643
13,451
13,932		 97.0
98.6
103.6
63.12
元. 1
2
3		 5,267
6,979
5,664
7,373		 98.5
113.8
112.0
109.8		 1,186
1,184
1,180
1,180		 109.4
108.5
107.6
107.4		 13,322
15,001
12,487
15,815		 103.1
113.9
108.6
107.7		 14,050
14,030
14,030
14,030		 104.3
103.9
103.7
103.5
4
5
6
7
8
9
10
11
12
4〜12		 6,966
7,669
7,158
6,734
6,894
4,558
5,992
5,748
6,696
58,416		 110.0
112.2
125.6
115.1
108.7
107.4
121.0
114.7
127.1
115.6		 1,212
1,212
1,212
1,212
1,212
1,206
1,189
1,176
1,170
1,200		 108.6
108.2
106.9
105.4
103.9
101.9
100.0
98.9
98.7
103.5		 15,062
16,646
16,070
15,300
16,131
11,215
14,160
13,571
16,366
134,521		 100.8
107.4
118.8
111.7
110.3
103.8
117.0
117.1
122.9
112.0		 14,451
14,451
14,451
14,451
14,430
14,410
14,286
14,163
14,080
14,353		 105.8
105.6
105.2
104.4
103.4
102.7
101.6
100.7
100.2
103.3		 
資料：農林水産省｢牛乳乳製品統計｣､｢農村物価指数｣｡乳製品価格は畜産局調べ｡
　　　平成元年4月以降は消費税額分を含む｡


表3　乳製品の在庫(各年度)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（単位：千トン､ヵ月）

　＼

 区分 バ　　タ　　ー 脱脂粉乳
年度

＼

 民　間 事業団 計 民　間 事業団 計

50年度
55
56
57
58
59
60
61
62
63

 　6(1.5)
16(3.1)
　7(1.3)
12(2.1)
17(2.8)
20(3.3)
30(4.6)
29(4.4)
12(1.8)
16(2.2)		 0
12(2.3)
12(2.1)
　3(0.5)
　1(0.2)
0
0
0
0
0		 　6(1.5)
28(5.4)
19(3.4)
15(2.6)
18(3.0)
20(3.3)
30(4.6)
29(4.4)
12(1.8)
16(2.2)		 18(2.4)
31(3.3)
16(1.5)
24(2.0)
23(1.9)
22(1.5)
32(2.3)
36(2.5)
13(0.9)
18(1.2)		 0
44(4.7)
44(4.2)
22(1.9)
　9(0.7)
　8(0.6)
　8(0.6)
　7(0.5)
　7(0.5)
　4(0.3)		 18(2.4)
75(8.0)
59(5.7)
45(3.8)
32(2.7)
30(2.1)
40(2.8)
43(3.0)
20(1.4)
23(1.5)

資料：農林水産省畜産局調べ

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