鶏肉


要 約
 生産はわずかな増加にとどまり、輸入も伸びが急減している。この結果、卸売価格は、かなり回復に転じている。

今月の特徴的事項は、
 生産は、3ヵ月連続して前年割れに対して1月の輸入量は、かなり高い伸びとなった。
(1) 消費
 伸びは鈍化はしているものの引き続き増加

・ 鶏肉の消費量は、最近伸びは鈍化しているものの、引き続き増加している(表11)。

・ 全消費量の3割強を占める家計消費量は、58年度以降は横ばい傾向であったが63
 年度以降に減少傾向で推移している。

表11 鶏肉需給
年度年月 推定期首在庫 生 産 量 輸 入 量 推定期末在庫 推定出回り量
数量
(トン)
前年比(%) 数量
(トン)
前年比(%) 数量
(トン)
前年比(%) 数量
(トン)
前年比(%) 数量
(トン)
前年比(%)
61
62
63
24
32
41
99.8
134.5
128.4
1,398
1,437
1,442
103.2
102.8
100.3
187
217
272
162.6
116.0
125.3
32
41
49
134.5
128.4
119.7
1,574
1,641
1,701
107.4
104.3
103.7
元. 1
2
3
50
52
54
137.6
132.6
133.6
104
102
113
100.5
97.1
100.6
19
20
15
105.0
110.4
93.4
52
54
49
132.6
133.6
119.7
121
120
134
101.9
98.3
104.1
4
5
6
7
8
9
10
11
12
2.1
4〜1
49
59
63
61
65
67
67
65
62
52
49
119.7
145.3
145.9
126.6
127.4
133.0
114.9
105.9
98.5
103.7
119.7
109
112
111
107
104
103
113
114
127
103
1,103
97.5
104.2
101.7
102.4
101.8
100.1
101.1
99.4
99.3
98.7
100.6
27
25
19
25
28
24
28
26
23
25
251
146.1
124.7
79.3
111.1
98.5
95.8
98.2
103.3
94.1
132.3
106.1
59
63
61
65
67
67
65
62
52
57
57
145.3
145.9
126.6
127.4
133.0
114.9
105.9
98.5
103.7
109.7
109.7
125
134
133
128
129
127
143
143
160
123
1,346
96.4
106.5
103.0
103.1
99.1
105.7
104.2
103.6
96.9
101.2
101.8
資料:農水省「食糧需給表」「ブロイラー流通統計」、大蔵省「日本貿易月表」、
   在庫量(通関済+国内産)は事業団調べ。
   推定出回り量=推定期首在庫+生産量+輸入量−推定期末在庫
注:1) 数量は骨付肉ベース
  2) 生産量の月別数値には廃鶏肉を含まない。
  3) 輸入量には七面鳥、その他家禽肉を含む。

(2) 生産
 低い伸び

・ 鶏肉の生産は、需要の伸びに対応して増加してきたが、卸売価格の低迷等によ
 り、60年度以降伸びが鈍化し、63年度は前年度並みとなった。平成元年度に入っ
 てブロイラー肉の生産は、前年度をわずかに上回る水準で推移している(表11)。

・ ブロイラー用ひなの出荷羽数も1月は前年をわずかに下回り、2〜4月にかけての
 予想も1〜2%前年度を下回るとみられている。

(3) 輸入
 平成元年度に入って伸びは鈍化

・ 輸入は、61年度以降63年度まで円高等により大幅に増加した。

  平成元年度に入って、輸出国の高値基調、円安基調により伸びが鈍化している
 が本年1月には、かなり高い伸びとなった(表11)。

・ なお、輸入量のうち、輸入単価の上昇の著しい骨つきももの減少が著しく(元
 年4月〜2年1月前年同期比18.9%減)反面、骨つきもも以外は、依然高い伸びを続
 けている(同21.7%増)。

(4) 価格
 平成元年度に入って前年水準を上回る水準

・ 卸売価格は、57年度以降、特に62年度には、円高の進行もあり、輸入が急増し
 たことにより大幅な下落となった。

・ 63年度は、国内生産量は前年度並みとなったものの、輸入量の増加により引き
 続き下落した。しかし、平成元年度に入り輸入物の価格上昇等により前年度をか
 なり上回って推移している。


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