豚肉


(1) 消費
 前年を若干上回る水準で推移

・ 近年、豚肉の消費量は、引き続き増加傾向にあるものの、伸び率は鈍化してい
 る。

・ 2年度に入って、4月は高い伸びを示したものの、その後おおむね前年と同水準
 で推移しており4〜8月では前年同期比101.8%となっている。

・ 8月の推定出回り量は、生産、輸入とも低水準であったにもかかわらず、在庫
 取り崩しもあって、おおむね前年同月と同水準(99.0%)となった(図23)。

・ 家計消費は、近年減少傾向が続いたが、元年度はわずかながら前年度水準を上
 回り(前年度比0.7%増)、2年度に入ってからは前年度とほぼ同水準で推移して
 いる(図24)。

・ 加工用需要は、近年伸び率は鈍化しているものの需要拡大の中心的役割を果た
 してきた。しかし2年度に入ってからは5月以降前年同月を下回って推移しており、
 7月は前年同月比92.8%に落ち込んだ(図24)。

(2) 生産
 年間110万トン台で安定的に推移

・ 60年度以降、110万トンを若干上回る水準で安定的に推移してきたが、2年度に
 入り4月はほぼ前年水準で推移したものの、5月以降は前年同期を下回って推移し
 8月は、前年同月比91.7%とかなりの落ち込みをみせた。この結果、4〜8月は対
 前年同期比2.9%減と前年同期を下回った(図25)。

  なお、本年8月の飼養頭数は、総頭数で2%減(11,940千頭)、子取り用めす豚
 は4%減(1,159千頭)と減少している。

(3) 輸入
 増加からやや減少へ

・ 輸入は、62年度に円高、加工用需要の増大等の影響もあり大幅に増加したが、
 その後伸び率は鈍化しており、元年度は、8.1%の伸びとなった。

・ 2年に入って高い伸びを続けていた輸入量は、6月以降前年水準を大きく割り込
 み(8月前年同月比32.3%減、図26)、この結果、昨年夏以降増大してきた在庫
 水準は、6月を境に減少に転じ、8月には9万トンを割り込んだ(図27)。

(4) 価格
 2ヵ月続けて安定上位価格を突破 

・ 卸売価格は近年、季節的な変動を伴いつつもおおむね安定価格帯の範囲内で安
 定的に推移してきた。

・ 元年11月以降、卸売価格は強含みで推移しており、7、8月は、それぞれ、614
 円、629円/kgと安定上位価格を上回った(図28)。しかし、9月に入って弱含み
 に転じ、中旬以降は中心価格水準で推移している。


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