鶏肉


(1) 消費
 伸びは鈍化しているものの引き続き増加

・ 鶏肉の消費量は、最近伸びは鈍化しているものの、引き続き増加した。2年度
 の推定出回り量は、4、5月は前年同月を上回り、その後、前年水準を若干下回
 ったものの(8月、1.4%減)、4〜8月では前年同期比1.9%増となっており、消
 費は堅調に推移しているものとみられる(図29)。

・ 全消費量の3割強を占める家計消費量は、58年度以降は横ばい傾向であったが
 63年度以降、減少傾向で推移しており、2年度は4〜8月で前年同期比4.8%減とな
 っている。またこれまで堅調に推移してきた加工仕向量は、3月以降前年を下回
 って推移しており、4〜8月では前年同期比4.5%減となっている(図30)。

(2) 生産
 低い伸び

・ 鶏肉の生産は、需要の伸びに対応して増加してきたが、卸売価格の低迷等によ
 り、60年度以降伸びが鈍化し、63、平成元年度は、横ばいで推移してきた。2年
 度に入ってからも、おおむね同様の傾向(4〜8月前年同期比100.0%)で推移し
 ている(図31)。

・ ブロイラー用ひなの出荷羽数は63年度以降は前年度を若干下回る水準で推移し
 ており、2年度に入っても同様の傾向で推移している(8月前年同月比3.6%減)。

・ 10月及び11月のブロイラー用ひなの出荷羽数はそれぞれ3%減、前年同月並と
 見通され、また、ブロイラー出荷羽数はそれぞれ1%増、2%減と見通される。

(3) 輸入
 元年度以降伸びは鈍化

・ 輸入は、61年度以降63年度まで円高等により大幅に増加した。

  元年度は、輸出国の高値基調、円安基調により伸びが鈍化した(対前年度比8.
 7%増)。

・ 2年度に入ってからは、6月は前年の輸入が低調であったため、35.9%増と大幅
 な増加を示しその後も前年同月を上回っているものの、4〜8月では、対前年同期
 比3.0%増と比較的低い伸びにとどまった(図32)。

・ 生産、輸入とも前年並みもしくは前年水準を下回ったものの、消費が伸び悩ん
 だことから、鶏肉の8月の推定期末在庫は68千トン(対前年同月比101.9%)へと
 増加した(図33)。

(4) 価格
 元年度に入って大幅に回復

・ 卸売価格は、57年度以降、特に62年度には、円高の進行もあり、輸入が急増し
 たことにより大幅な下落となった。

・ 元年度は輸入物の価格上昇等により前年度をかなり上回り(前年度比16.1%増)、
 2年度に入っても230円/kg台を維持し、強含みで推移している(8月257円/kg、
 前年同月比13.7%高)(図34)。


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