豚肉


前年を割り込んだ消費量

 平成3年8月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は115,949トンとなり、対
前年同月比98.4%と前年同月を割り込んだ(図1)。4月からの累計では、対前年同
期比100.4%となっている。総務庁家計調査報告によると、7月の家計消費量は対前
年同月比94.9%と前年同月を割っているものの、加工品仕向肉量は、5月以降前年
水準を超えて推移しており、7月は対前年同月比106.6%となった。


かなり下回る生産量

 平成2年5月以降前年を割り込んで推移してきた生産量(部分肉ベース)は8月も
77,963トン(対前年同月比94.5%)と前年同月を下回った(図2)。4月からの累計
では、対前年同期比94.4%となっている。農林水産省統計情報部によると8月1日現
在の総飼養頭数は11,208千頭(対前年同月比93.9%)であり、子取り用めす豚頭数
は1,095千頭(対前年同月比94.5%)である。また、同省畜産局によると9月の肉豚
出荷頭数(見込み)は、1,611千頭(対前年同月比101%)であり、10月は1,793千
頭(対前年同月比95%)と見込んでいる。


大幅に増加する輸入チルド、相場下落を促進

 8月の輸入量(部分肉ベース)は33,742トンとなり、対前年同月比173.4%と大幅
に増加した(図3)。4月からの累計では、対前年同期比113.9%となっている。チ
ルドの輸入量は7,062トンで全輸入量の約21%を占めており、対前年同月比186.6%
の大幅な増加となった。そのうち70%は台湾からの輸入によるものであった。台湾
政府(中華民国)は、養豚の公害問題等の理由により、6年以内に豚の飼養頭数の
大幅な減産計画を策定しており、長期的には対日輸出量に影響を及ぼすものと見込
まれる。


引き続き急落する卸売価格

 季節的要因に加えてチルドの輸入増により8月の枝肉卸売価格(東京市場の省令
価格)は、7月に比べ68円/kg安の567円/kg(対前年同月比90.1%)となった(図
4)。9月の速報値では、82円/kg安の485円/kg(対前年同月比91.2%)となって
おり急落傾向に拍車がかかっている。


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