牛肉


推定期末在庫が10万トンを割る

消費はほぼ前年並み

 5、6月に一時低迷していた推定出回り量(消費量)は、7月に持ち直したものの、
8月は輸入量の大幅な減少と生産の伸びの鈍化により、64,607トン(対前年同月比
101.1%)となった(図1)。

 8月末の推定期末在庫は、輸入量の減少から輸入品在庫の取り崩しもあって、97,
374トンと平成元年7月に10万トンを突破して以来、約2年ぶりに10万トンを割り込
んだ。うち、輸入品在庫は83,792トン(対前年同月比86.9%)で、事業団在庫は39,
339トンとなっている。


生産は引き続き増加

 枝肉生産量は、8月も32,766トン(対前年同月比103.3%)と引き続き増加したが、
その伸びは鈍化した(図2)。

 種類別と畜頭数をみると、和牛はめす和牛(対前年同月比107.8%)の伸びが大
きく、去勢和牛(対前年同月比102.1%)も増加して、和牛全体では39.8千頭(対
前年同月比104.5%)となった。乳牛のと畜頭数は、乳おす(対前年同月比104.1%)
は増加したものの、乳めす(対前年同月比98.8%)は、乳廃価格の低水準と生乳生
産の不足から出荷が手控えられたこともあって、本年度初めて前年同月水準を割り
込み、乳牛全体で74.4千頭(対前年同月比101.5%)となった。


輸入量は大幅に減少

 8月の輸入量は、25,704トン(対前年同月比78.5%)と7月に比べ2,355トン、前
年同月に比べ7,035トンそれぞれ減少した(図3)。その内訳(くず肉、煮沸肉を除
く)は、チルドは13,317トン、フローズンは11,939トンで、フローズンの減少が大
きくチルドの割合は52.7%と5割を超え、6月以降はほぼ同様の傾向を示している。


省令価格は横ばい、乳用種は低水準

 8月の省令価格(東京市場、以下同じ。)は7月に比べ31円/kg値を上げ、1,199
円/kg(対前年同月比89.1%)となり、9月の速報値でも1,159円/kgとほぼ横ばい
で推移している(図4)。

 和牛が相変らず堅調に推移しているのに対し、8月の乳用種の価格は、乳おす「B
−3」1,110円(対前年同月比89.8%)、「B−2」886円(対前年同月比82.3%)、
乳めす「C−1」334円(対前年同月比106.7%)と低水準のままほぼ横ばいで推移し
ており、9月の速報値でも乳おす「B−3」1,112円、「B-2」896円、乳めす「C−1」
324円となっている。

 また、輸入牛肉の価格(国内仲間相場)は、輸入量の減少から品薄感が強まり、
9月はチルドビーフフルセットを中心にやや上昇した。


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