豚肉


前年並みの出回り量

 4年10月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、輸入品が前年をかなり大
きく上回ったものの(11.4%)、国産品が前年をかなり下回ったことから(▲6.9
%)、ほぼ前年並みの13万4千779トンとなった(▲1.4%、図1)。


8月に続き国内生産量は減産

 9月に前年水準を上回った国内生産量(部分肉ベース)は、10月に再び対前年比
でマイナスとなり、9万378トンとなった(▲6.2%、図2)。


過去最高の輸入チルド

 10月の輸入量(部分肉ベース)は、5カ月ぶりに4万トン台となり、4万6千303
トンと前年をかなり大きく上回った(12.6%、図3)。特に、チルドの輸入量は、
主力の台湾産に加え米国産も増加したことから、1万1千630トン(全輸入量の25.1
%)と過去最高となった。そのうち、台湾からの輸入量は、8千67トン(全チルド
の69.4%)、米国からは3千275トン(全チルドの28.2%)となっている。


11月24日に調整保管発動

 10月の枝肉卸売価格(東京市場、省令)は、輸入量の増加などから、9月に比べ
107円/kg値を下げ、438円/kg(4.0%)に、また、11月(速報値)も、10月に比
べ22円/kg値を下げ、416円/kgとなった(1.2%、図4)。11月は月平均で前年よ
り高かったが、中旬に安定基準価格(400円/kg)を下回る日が続いたため、24日
付けで「畜産物の価格安定等に関する法律」に基づく豚肉調整保管実施のための計
画が作成され、生産者団体による実施体制が整備された。


今月のトピックス
豚肉とすり身の「食い合い」

 豚肉のすそものは、魚のすり身といっしょに、ソーセージ、おでんだねなどの加工品に使われている。加工関係業者によると、去年はスケトウダラが不漁ですり身
が品不足になり、原料が豚肉にシフトしていたそうだ。しかし、今年は逆にすり身の在庫が多く価格も安いことから、再び豚肉からすり身へもどってきているとのことだ。なるほど農水省の調査をみても、スケトウダラ冷凍すり身の在庫量は、今年9月末現在で12万3千トンあり、昨年同期の8万3千トンと比較し、かなり多くなっている。また、冷凍すり身の平均卸売価格は、昨年9月の609円/kgが、今年9月に443円/kgと3割近く安くなっている。



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