★ 事業団便り


牛乳乳製品利用料理コンクール全国大会、開催される


 平成4年12月6日(日)、当日は、木枯らしの吹く寒い日でした。新宿の近くの
服部栄養専門学校には、各県の予選を勝ち抜いた代表46人の選手が集まっていまし
た。平成4年度牛乳乳製品利用料理コンクール全国大会への出場選手達です。

 このコンクールは、昭和53年度から(社)全国牛乳普及協会が牛乳乳製品の消費
拡大を目的として開催し、今回で13回目となりました。応募者も第1回目の128人
から、今回は実に6,740人、作品数で7,427点になるまで育ってまいりました。

 今回の全国大会への出場者は、紅一点ならぬ男性1名を含み、最年少が17歳の学
生、最年長が68歳の主婦と各年代に幅広く分布しています。職業別には、主婦が22
名と約半数を占めましたが、学生が5名、農業・酪農業の方が4名、また、過去に
も全国大会に出場し、農林水産大臣賞を受賞したベテランの方もいらっしゃいまし
た。

 出場者もバラエテイに富みましたが、作品も、お寿司などのお米を利用したもの、
食肉や魚を使ったおかず類、スナック菓子、そしてデザート類と、こちらも多彩で
した。

 さて、競技が始まりました。競技は、午前10時から11時の1時間に自分が考案し
てきた作品を調理することです。46人の出場者が一斉に行いますので、3ヶ所に分
れて調理します。各会場は、野菜をカットする音、フライパンや鍋が触れる音、油
で揚げる音が聞こえるだけで、出場者は時間に追われながら、また額を汗でぬらし
ながら、一生懸命作品にとりかかっていました。競技開始後、30分を過ぎる頃から
順次出来上がっていきます。その間に、江上栄子先生を審査委員長とする9名の審
査員が、各出場者の間をまわり、いろいろ質問をし、メモをとっていました。

 調理の終わった作品は、別室の審査室に集められ、今度は、盛りつけ方法をはじ
め、料理の一番大切な「味」の審査に入りました。各審査員とも46の作品に箸をつ
け、「うん、うん」とうなずいたり、ちょっと首を傾げたりしていました。飾り付
けも、出場者がそれぞれに、料理にマッチしたお皿やランチョンマットを利用した
り、椿の花や紅葉を添え、できあがった作品を一層引き立たせようとしていました。

 審査項目は、@おいしさの他、A料理のしやすさという普及性、B牛乳・乳製品
の使用方法が適切かという利用性、C料理名、料理内容の独創性、そして、D栄養
や楽しさを含む総合的判断の5点にあります。これらの項目に従って審査がおこな
われ、農林水産大臣賞他各賞の受賞作品が別表のとおり決まりました。

 表彰式では、江上審査委員長から、「牛乳と白玉粉、さんまなどの魚、車麩、切
干大根、豆腐とミルクのドッキングなど素材との組み合わせに新しい工夫がみられ
た。デコレーションなどの飾り付けも上手になった。途中まではよいのに飾りすぎ
となったり、材料に欲張りすぎのものがあり、残念だった」との講評がありました。

 また、大臣賞の「うさぎ大福」については「自然な味でおいしかった。電子レン
ジで調理する普及性、カスタードクリームやバナナを変えれば味も変化させられる。
たくさんの票がはいった」、事業団理事長賞の「おつけものチーズ和え」には、
「お酒だけでは体に悪いので、手持ちの漬物とチーズ、そして熊本のひともじを利
用し、すぐに、誰にでもできるのがよかった」との講評がありました。


 そのあと開催された、受賞者との懇談会では、受賞者の皆さんもほっとしたのか
リラックスした中で、受賞作品の苦労話などが話合われました。受賞者からは、
「子どもにできるだけ手作りの、栄養のあるおやつを上げたい」、「牛乳、チーズ
が食べられない人にも、どこに使われているかわからないようにするのに苦労した」
などの話がで、審査員の方からは、「来年もぜひ皆さんのお顔が、審査会場でお見
かけしますように」との言葉がありました。

 今回の全国大会も無事終了いたしましたが、レポーターの私としては、農林水産
省畜産局川村牛乳乳製品課長のご挨拶にありました、「このコンクールが応募作品
も増えて心強く思う。ウルグアイ・ラウンドで緊迫しているなかだが、酪農家の皆
さんも精一杯頑張っている。参加者の方には、牛乳・乳製品の良さをわかっていた
だいているが、これを広く普及させていきたい」という言葉に改めて感じ入る次第
です。

(企画情報部 村尾 誠)

(別表、敬称略)

 農林水産大臣賞    :「うさぎ大福」岐阜県 堀 清美
 農林水産省畜産局長賞 :「おからのチーズ入りコロッケ」香川県 田中千明
 畜産振興事業団理事長賞:「おつけものチーズ和え」熊本県 宝代真紀
 NHK会長賞     :「さんまで元気!」愛知県 杉浦眞代
 全国牛乳普及協会会長賞:「おふくろの味"定番醍醐味煮"」
 
             茨城県 石塚ナツ子
    〃        「NEWにゅう飲茶」富山県 佐藤美智代
    〃        「チーズン・ツイスト」三重県 岡田公子
    〃        「おぞうには関東?関西?それとも……」
 
             京都府 山守展世
    〃        「デコレーションずし」岡山県 藤原尚子
    〃        「いわしのころころ牛乳煮」佐賀県 中村シゲヨ


元のページに戻る