豚肉


加工品需要により消費量は増加

 3年4月〜11月の推定出回り量(消費量)は対前年同期比101.4%であるが、これ
を季節調整済みの数値でみると、加工品需要に加え年末需要にも支えられ、3年前
半の横ばいからやや増加傾向で推移している(図1)。

 家計消費量については、3年1月以降前年を割り込んで推移してきたが、11月も引
き続き前年水準を下回り、対前年同月比98.8%となっている。しかし、ソーセージ
及びベーコン等加工品の需要が依然好調であり、加工品仕向肉量は、5月以降11月
も引き続き上回り対前年同月比105.9%となっている。

 なお、加工品仕向肉量を季節調整済みの数値でみると、春以降は増加傾向で推移
していたものの、ここ数ヵ月は横ばい傾向である(図2)。


依然減少基調で推移する生産量

 12月の生産量(部分肉ベース)は、95千トン(対前年同月比94.8%)となり、生
産量は依然減少基調で推移している。4月からの累計では、対前年同期比95.4%と
なっている。また、農林水産省畜産局によると4年1月の肉豚出荷頭数(見込み)は、
1,613千頭(対前年同月比95%)、2月は1,547千頭(対前年同月比96%)と見込ん
でいる。


需要増を反映し、低水準の在庫

 推定期末在庫は、国内生産量の減少基調及び好調な加工品需要に支えられること
等から、減少傾向で推移しており、12月は55千トン(対前年同月比89.O%)となっ
ている(図3)。


年末・年始に向かい一段高で推移した卸売価格

 12月の枝肉卸売価格(東京市場、省令価格)は、例年の季節性に反し11月に比べ
88円/s高の499円/s(対前年同月比122.0%)となった(図4)。4年1月の速報
値は、12月に比べ45円/kg高の544円/s(対前年同月比130.1%)となっている。
これは、安定基準価格(400円/s)を下回る恐れから、農林水産省が12月2日から
調整保管を発動することを決めたことにより、卸売価格の先安感が消えたこと及び
年末・年始用の手当てが年末に向かって活発化したことに加え、国内産及び輸入物
の供給量が増えていないことに起因している。


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