鶏卵


引き続き堅調な消費量

 3年4月〜11月の推定出回り量(消費量)は、対前年同期比106.3%であるが、こ
れを季節調整済みの数値でみると、2年後半から増加傾向で推移していたものの、
ここ数ヵ月は横ばい傾向である(図1)。

 鶏卵の家計消費量は、2年12月以降前年水準を上回って推移しており、3年11月は
対前年同月比101.0%となった。


依然増産傾向で推移する生産量

 12月の生産量は、増産基調に加え暖冬による影響もあり、215千トン(対前年同
月比104.3%)と前年をやや上回った(図2)。鶏卵価格の高騰、飼料の値下がり等
を背景に、生産量は3年1月以降前年を上回り、4月以降4%以上の高い伸びを示して
おり、4月からの累計では対前年同期比105.4%となっている。

 一方、採卵用ひなえ付け羽数は、4月から8月までは6%以上の高い伸びを示して
いたが、12月は対前年同月比104.5%となっている。また、農林水産省統計情報部
によると、4年1、2、3月の採卵鶏ひな出荷羽数の見通しは、それぞれ対前年同月比
101、100、90%の見込みであり、増産傾向に歯止めがかかっている模様。

 なお、生産量を季節調整済みの数値でみると、2年後半から増加傾向で推移して
いたものの、ここ数ヵ月は減少傾向である(図3)。


生産増により卸売価格は一段安

 12月の卸売価格(東京平均)は、生産増が進んだことにより11月に比べ12円/s
値を下げ、235円/sとなった。対前年同月比で見ると83.0%となっている(図4)。

 なお、4年1月の全農の東京・M規格平均価格(速報値)は、155円/s(対前年同
月比62.3%)となっており、3年前半の鶏卵価格高騰で増加した採卵用ひなによる
増産基調を背景に、平均卸売価格はさらに下落している。

 この鶏卵相場急落を受けて、(社)全国鶏卵価格安定基金と(社)全日本卵価安定基
金は、2月3日に価格補てんを決定した。補てんは、昭和63年7月以来3年6ヵ月ぶり
であり、補てん価格は28円/sとなっている。


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