消費量はほぼ前年並み 5年10月の推定出回り量(消費量、骨付き肉ベース)は、15万6千791トンとほぼ 前年並みとなった(▲0.7%、図1)。 鶏肉の生産量については、12万508トンと(農林水産省食肉鶏卵課推計)ほぼ前 年並みで推移している(図2)。 輸入量は4万トン台に ブロイラー等の輸入量は、7月以降、前年を大幅に上回っており、10月は4万287 トン(7.9%)となった(図3)。 推定期末在庫も、11万3千798トン(30.1%)となり、うち輸入分の在庫は8万8千 177トン(18.0%)、国内産は2万5千621トン(101.3%)となった。 特に国内産については4月以降、昨年の約2倍という高水準の在庫が続いている。 卸売価格は上昇 10月のもも肉、むね肉の卸売価格(東京)は、前月より値を上げ、それぞれ539 円/kg、333円/kgとなったが、対前年では下回った(もも肉▲2.8%、むね肉▲6. 9%、図4)。11月の単純平均(農林水産省「畜産物市況速報」、以下同じ)は、も も肉518円/kg、むね肉312円/kgの低水準であり、昨今の需要低迷、慢性的な高水 準の在庫等が国内相場を圧迫している。 さらに、年間で最大の需要期であるクリスマスを控えているが、景気の後退等に より動きは弱く、12月になっても価格の改善の兆しはなく、もも肉530円/kg台、 むね肉320円/kg台となっており、国内相場にとっては厳しい状況である。 今月のトピックス
三重大学石田助教授の「需要不振部位の需要増進に関する経済学的検討」より 鶏肉の需要不振部位(むね肉)をどう売り切るかが、卸売業者(ひては小売業者)の最大の課題となっている。そのむね肉の需要増進方策として、@小売価格の是正(むね肉の価格は現状よりも安く)、A「ヘルシー」を全面にだした販売方法の開発、B小売方法の改善等として、ロスを少なくするための「そぎ切り肉」の販売、C産地凍結の方法として、むね、ささみを1枚づつ凍結した新商品(IQF)の開発、が提案されている。 |
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