鶏卵


生産量は前年を上回る

 農林水産省統計情報部によると、5年7月〜9月の3ヵ月間の生産量は例年の暑さに
よる落ち込みが少なかったことから、前年同期を2.5%上回る64万9千トンとなった
(図1)。

 また、統計情報部による10月の採卵用ひなえ付け羽数は、対前年同月をわずかに
下回った(▲1.5%、図2)。5年11、12、1月の採卵用ひな出荷羽数の見通しは、そ
れぞれ対前年比100、92、88%と見込まれている。

 なお、9月の家計消費量(総務庁)は、ほぼ前年並みとなっている。


わずかな輸入量

 10月の輸入量は4,019トンと、前年同月に比べわずかに減少した(▲2.9%、図3)。


かなり下回った卸売価格

 10月の卸売価格(東京平均)は、9月より15円値を上げ177円/kgとなったが、前
年同月比でみるとかなりの程度下回っている(▲9.2%、図4)。

 例年、年末にかけては需要期であり価格が上昇する時期だが、生産量は増加を続
けており、卸売価格(全農東京M規格)は11月1日に15円/kg値を下げ160円/kgと
なった以降、12月10日現在も同水準となっている(11月の同規格平均価格(速報値)
160円/kg、▲14.4%)。

 11月も補てん基準価格(173円/kg)を下回るため、(社)全国鶏卵価格安定基金
と(社)全日本卵価安定基金は、補てんを行うことを決定した(補てん価格は19円)。
これで補てんは3月から9ヵ月連続となった。


今月のトピックス
農林水産省が市況対策

 農林水産省は11月18日に大手鶏卵生産者を集め、鶏卵需給動向検討会を開催した。鶏卵は、ひなえ付端数の増加及び冷夏の影響等から供給過剰が続いており、平成5年度の生産量は4年度を上回る260万トン(1.0%)と見込まれる。こうしたことから、農林水産省は@採卵鶏の1ヵ月以上の繰り上げ淘汰Aひなえ付け羽数の10%削減B10%の削減が困難な場合は最低5%の削減と繰り上げ期間の長期化(飼養期間を短縮)に取り組むよう呼びかけた。



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