◎地域便り


米国からホルスタイン種の凍結受精卵、日本で初輸入

(岩手県 帷子 剛資)


 千厩町と千厩農業協同組合は、平成5年11月19日、椛g合貿易とJA全農を通じて
我が国では初めて、米国から優秀なホルスタイン種の凍結受精卵を輸入した。

 この凍結受精卵の輸入は、平成4年12月の農水省告示によるカナダ産に続いて、
今年の10月から米国産も可能となったことによるもので、今般米国内で高い遺伝力
を有する「エリート・カウ」をドナーカウとし、TPI(米国種雄牛総合能力指数)
トップクラスの著名な種雄牛をドナーサイアーに持つ受精卵9個を約100万円で輸
入した。

 米国、カナダ、EC、オーストラリアなどでは、乳用牛の改良や種雄牛の造成に
受精卵が積極的に活用されているが、生体(個体)の輸入に比べ、簡単、安価、か
つ検疫が無いなどのメリットがあり、本年12月1日から稼働の同農協ET施設で町内
酪農家を対象に供用される。

 なお、同町の酪農家は130戸で1,300頭の搾乳牛を飼育、年間約6億円の生乳を出
荷しているが、輸入受精卵を利用しての受精卵移植がスタートすれば、米国の優れ
た血統がストレートに同町内でいかせることになり、乳用牛の改良増殖に役立つも
のと関係者は大いに期待している。
 

元のページに戻る