(群馬県 宮川 均)
牛肉輸入自由化や景気の低迷により、畜産物価格が低迷している。群馬県食肉卸 売市場での豚枝肉取引価格は平成5年8月中旬から400円/sを割り込んでいる。 このような中、国では10月7日から豚肉の価格安定対策として畜産振興事業団の 指定助成対象事業に基づく豚肉の調整保管が開始されたが、今までは保管発動決定 後ただちに価格の回復がみられたものが、本年は最近になっても回復する様相を示 していない。 この背景には牛肉、豚肉の輸入量の急激な増加や輸入牛肉小売り価格の低下が豚 消費量を低下させており、需給のアンバランスを来たしているものと考えられる。 群馬市場においては、カット技術者の不足により、調整保管機能が充分に効果を得 ておらず、本県の食肉関係者で組織される五者会議では、県内豚肉価格の安定を図 るため、緊急的な措置として、関係団体の協力を得て買い支えを行い、価格の維持 を図るとともに、肉豚価格安定事業(群馬県畜産物価格安定基金協会単独事業)の 効率的な運用を図り、養豚農家の経営安定に努めている。