〔牛 肉〕 前年をかなり上回った推定出回り量 4年4〜11月の推定出回り量(消費量)は、生産量がやや増加(2.4%)し、輸入 量もかなり増加(35.5%)したため、5万6千595トンと前年同期をかなり上回って 推移した(7.5%)。 12月末の推定期末在庫は、6万8千324トンと前年同月をかなり下回っている(▲ 8.0%、図1)。特に、輸入品在庫は本年度当初から、ゆるやかな増加傾向が続いて いたが、5年4月からの関税50%を前にして輸入を手びかえていることもあり、反転 緩やかな低下傾向に移行した。 前年をやや上回る生産量 12月の生産量は、4万3千630トンと前年をやや上回った(5.1%、図2)。 種類別のと畜頭数を見ると、和牛は、去勢和牛、めす和牛とも増加し、和牛全体 では6万8千300頭と前年をかなり上回った(7.9%)。一方、乳牛も、乳おす、乳め すとも増加し、乳牛全体では前年をやや上回る8万3千100頭(3.3%)となった。 輸入牛肉の増勢鈍化 4年4〜11月の間の輸入量は、31万4千733トンと前年同期を大幅に上回っている (35.5%)。 事業団が36商社から聞き取った独自の調査によると、12月の輸人見込みは、冷蔵 品2万トン、冷凍品1万3千トン、合計約3万3千トンと11月をかなり下回ると見込ま れ、また、1月については、関税の10%引下げを前にして不透明なところがあるが、 12月よりもやや減少するものと見込まれる。 卸売価格は全般的に低水準 12月の省令価格(東京市場、以下同じ)は、1,088円/sと前月より36円回復し たものの、長引く景気後退の影響から、依然として、前年同月をかなり下回る水準 となっている(▲11.8%)。さらに、1月の速報値では、992円/sと急落している (図3)。 和牛の価格は、高級物にまで消費低迷の影響があらわれて久しいが、12月は、去 勢和牛「A-5」2,718円/kg、「A-4」2,149円/sと前年同月を下回り、1月も、12 月を下回る水準になっている。 乳用種の価格は、12月は、乳おす「B-3」1,055円/s(▲5.4%)、「B-2」779 円/s(▲10.8%)、乳めす「C-1」293円/s(▲3.0%)と、和牛と同様に、低 水準で推移している。1月の速報値は乳おす「B-3」1,016円/s、「B-2」733円/ kg、乳めす「C-1」295円/sとなっている。 12月から1月上期にかけての輸入牛肉価格(国内仲間相場)は、北米産チルドは、 フルテンダーロイン、チャックリブがやや値を上げた他は全般的に保合で推移し、 オセアニア産チルドフルセットはやや値を下げている(図4)。 〔肉用子牛〕 乳用種は横ばい 黒毛和種の12月の価格(雌雄平均、以下同じ。)は、40万7千円/頭と前月に比 べわずかに値を上げ、1月の速報値(2月10日現在。以下、この項同じ。)では39万 5千円/頭となっている(図5)。 乳用種の12月の価格は、前月並みの11万3千円/頭、また、1月の速報値では10万 8千円/頭と値を下げている。 また、乳用種のヌレ子の12月の価格は、4万3千900円/頭と前月並みとなった。1 月の速報値は、4万5千800円/頭となっている。 なお、4年度第3四半期の指定肉用子牛の平均売買価格が告示されたが、「乳用種」、 「その他の肉専用種」とも、合理化目標価格を下回り、「乳用種」については、3 年度第1四半期以降7期連続で、また「その他の肉専用種」についても、2年度第3四 半期以降9期連続で生産者補給金が交付されることとなった。 今月のトピックス
黒毛和種は保合、乳用種は小戻し保合 4年度の子牛価格の動向を整理すると、@「黒毛和種及び褐毛和種」については、保証価格を大幅に上回る水準で推移してきたが、ここにきて低下基調も生じており、近時1頭当たり40万円前後で推移している(図6)。A「その他の肉専用種」については各品種とも低価格水準で推移しており、引き続き保証基準価格を大幅に下回っている(図7)。B「乳用種」についても低下傾向で推移し、第3四半期以降やや上昇したものの、引き続き保証基準価格を下回って推移している(図8)。 |
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