豚肉


前年をかなり下回った輸入品の出回り量

 5年4月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、輸入品が前年をかなり下回
ったことから、12万4千87トンと前年をやや下回った(▲4.1%)。なお、季節調整
済みの数値をみると、景気後退の影響により昨年夏をピークに減少していたが、今
年に入り増加傾向にある(図1)。


5月、6月も前年並みが見込まれる国内生産量

 4月の国内生産量は、8万5千399トンとほぼ前年並み(1.4%)となった。また、
農林水産省畜産局によると、5月の肉豚出荷頭数(見込み)は149万4千頭、6月は15
1万9千頭といずれも前年並みを見込んでいる。なお、国内生産量を季節調整済み値
でみると、昨年夏以降減少傾向にあったが、今年に入って増加に転じている(図2)。


チルドの輸入量は半年ぶりに1万トン越え

 輸入量は、季節調整済みの数値をみると、国内相場の低迷を受けて、昨年末以降、
減少傾向にある(図3)。

 4月も、急増した前年と比べると大幅に減少し、3万6千471トンとなった(▲24.9
%)。しかしながら、国産豚肉と競合するチルドは、1万688トン(全輸入量の29.3
%)と昨年10月以来の高い水準となっている。そのうち、台湾からは6千851トン
(全チルドの64.1%)、米国からは3千536トン(全チルドの33.1%)となり、特に
米国産はロース、ヒレといった人気部位を手当てしやすいことから増えつつある。


500円割れとなった卸売価格

 5月の枝肉卸売価格(東京市場、省令)の速報値は、4月に比べ47円/s値を下げ
478円/sとなり、前年をかなり下回った(▲12.0%、図4)。これは、スーパーな
ど量販店が円高差益還元セールによる輸入牛肉販売に積極的であること、輸入チル
ドの出回り量が多いことなどが影響しているようだ。


今月のトピックス
6年ぶりに改定された豚の飼養標準

 豚の養分要求量を明らかにし、飼料設計の基礎とする「日本飼養標準・豚」が6年ぶりに改定された。今回の改正点としては、エネルギー要求量が体重により算出できるように数式を導き出しているところが特徴。また、ふん尿が環境問題となっていることから、窒素やリンの摂取限度量を示し、環境に優しい給与になるような配慮もされている。



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