牛肉・肉用子牛


〔牛  肉〕

堅調に増加している出回り量

 5年4月の推定出回り量(消費量、部分肉ベース)は、輸入品の増加にともない、
全体で8万6千294トンと前年をやや上回った(4.6%、図1)。

 昨年秋口から緩やかな減少を続けてきた推定期末在庫は、4月末には反転増加し
たものの、前年同月の水準には達していない(6万2千732トン、▲5.7%、図2)。
輸入品・国産品在庫とも、前年同月を下回っているが、特に国産品は1万トンを割
り、9千714トンとなっている。


生産量は前年をやや上回る

 4月の生産量は、3万4千956トンと前年同月をわずかに上回った(2.5%、図3)。

 種類別のと畜頭数を見ると、和牛は、去勢和牛、めす和牛とも増加(それぞれ2.
1%、6.7%)したため、和牛全体では4万6千400頭と前年をやや上回った(4.2%)。
一方、乳牛も、乳用肥育おす牛、乳用めす年とも増加(それぞれ3.4%、3.1%)し
たため、乳牛全体では7万5千800頭とやや増加(3.2%)した。


輸入量は16.8ポイントの大幅な増加

 4月の輸入量は、冷凍品の輸入が増加したこともない、6万2千559トンと大幅に増
加した(16.8%、図4)。

 事業団が36商社から聞き取った独自の調査によると、5月の輸人見込み数量は、
冷蔵品2万2千トン、冷凍品2万3千トン、合計約4万5千トン前後と4月を下回ると見
込まれ、また、6月については、5月とほぼ同水準になるものと見込まれる。


卸売価格は依然として低水準

 平成3年7月以来、前年を下回っていた省令価格(東京市場、以下同じ)は4月に
は、1,030円/sと前年同額にまで持ち直し、5月の速報値では、987円/sと前年
をわずかに超えた(2.8%、図5)。

 しかしながら去勢和牛「A-5」、「A-4」の価格は、景気後退等の影響により前年
を下回り、5月も、引き続き前年を下回る水準になっている(図6)。

 乳用種の価格も、4月は、乳おす「B-3」、「B-2」、乳めす「C-1」とも、低水準
で推移している。5月の速報値は乳おす「B-3」、「B-2」では前月より値を下げて
いるものの、乳めす「C-1」では値を上げている。

 4月から5月上期にかけての輸入牛肉価格(国内仲間相場)は、スーパーなどの特
売需要により、北米産フローズンでは、ストリップロイン、テンダーロインがやや
値を上げ、オセアニア産チルドは、5月に入りフルセットをはじめとして全般的に
強含みで推移した。


〔肉用子牛〕

黒毛和種・乳用種とも持ち直し(速報値)

 黒毛和種の4月の価格(雌雄平均、以下同じ。)は、33万1千円/頭と前月に比べ
やや値を下げたものの、5月の速報値(6月10日現在。以下、この項同じ。)では、
33万2千円/頭となっている(図7)。

 乳用種の4月の価格は、8万9千円/頭とやや値を下げ、5月の速報値では、9万1千
円/頭と値を回復している。

 また、乳用種のヌレ子の4月の価格は、5万2千円/頭と前月並みであったが、5月
の速報値では、5万9千円/頭と昨年秋口から緩やかな回復基調にある(図8)。


今月のトピックス
根強い需要に支えられた「ばら」系冷凍輸入牛肉

 冷凍品のうち「ばら」系の輸入牛肉のシェアが伸びている。特に米国産のショートプレートについては、本年1月までは、冷凍品全体のうち30%前後で推移していたものが、2〜4月にかけて約37%で推移している。この背景には、牛丼用に限らず、安い焼き肉商材や宅配弁当などに利用され、また、量販店においても200円(100s当たり)を切る価格で売られている点がある。今後もこうした「ばら」に対する強い需要は続きそうな気配である。
(参考)
   冷凍品輸入量全体 S/P シェア
4月 37,608トン 14,117 37.5%
3月 6,135 2,256 36.7
2月 6,870 2,531 36.8
1月 12,558 3,774 30.0
12月 12,695 4,021 31.6
11月 16,926 5,549 32.2



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