牛乳・乳製品


生乳生産量の伸びは鈍化

 5年4月の生乳生産量は、73万9千207トンと引き続き前年同月を上回ったものの、
その伸びは鈍化した(2.2%)。生産量を北海道、都府県別にみると、北海道は前
年の伸びが高かったこともあって2.3%増と前月までの伸びより鈍化し、都府県は
2.1%増と前月までとほぼ同じペースとなっている。また、生乳生産量を季節調整
済み値でみると、4年度は一貫して増加傾向で推移したが、ここへきて横ばいない
しは減少傾向となっている(図1)。


前年並みの飲用等向け処理量

 4月の飲用等向け処理量は、41万9千36トンとほぼ前年並みとなった(0.2%)。
飲用牛乳の生産量も牛乳、加工乳ともに前年をわずかに上回った。なお、飲用等向
け処理量を季節調整済み値でみると、4年度に入って減少傾向が続いていたものの、
夏場を底に秋口からやや上向きとなっている(図2)。


バター、脱脂粉乳の生産量は引き続き増加

 4月の乳製品向け処理量は、生乳生産量の伸びの鈍化もあって、31万428トンと引
き続き前年を上回ったが、伸びは鈍化した(4.9%)。れん乳類、全粉乳、クリー
ムの生産量は前年を下回っているものの、主要乳製品であるバター、脱脂粉乳の生
産量は、ともに前年を大幅に上回った(バター20.8%、脱脂粉乳13.3%)。こうし
た需給動向を反映して、バター及び脱脂粉乳の卸売価格は低下傾向が続いている
(図3、図4)。


今月のトピックス
見直される牛乳の宅配

 スーパーでの1リットルパック牛乳の販売の普及により減少を続けてきた牛乳の宅配店が、共働きや高齢者世帯の増加とともに見直されている。
 牛乳の宅配といえば、新聞配達と同じく早朝にビン入りのものを毎日配達するというイメージがあったが、今は保冷箱を設置するなどして、一日おきの昼間配達も試みられている。また、スーパーでは買えない宅配独自の商品を開発したりしてメーカーも力を入れている。飲用消費を伸ばすことが需給改善の急務であることからも注目される。



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