鶏卵


生産量は前年並み

 5年1〜3月の3ヵ月間の生産量は63万5千トンと前年並みの水準となり、4年度全体
では前年をわずかに上回った(1.5%、図1)。また、1〜3月の推定出回り量(消費
量)も、前年並みの64万7千トンとなった(図2)。

 一方、5年3月の家計消費量は、102.3%と前年をやや上回り(2.3%)、4年度全
体も前年並みの水準となった。

かなり上回った採卵用ひなえ付け羽数

 採卵用ひなえ付け羽数は、3月はやや減少したが、4月は前年同月をかなり上回っ
た(10.3%)。これを季節調整済み値でみると、4月冬頃から上昇傾向で推移して
いる(図3)。

 また、農林水産省統計情報部によると、5年5、6、7月の採卵用めすひな出荷羽数
の見通しは、それぞれ前年比93、100、102%と見込まれている。

かなり上回った4月の卸売価格

 4月の卸売価格(東京平均)は、強制換羽等の実施で、市場への入荷量が減少し
たことに加え、連休前の特売需要のため荷動きが活発になったことから、3月に比
べ17円値を上げ、前年同月比においてもかなり上回った(167円/s、9.2%、図4)。

 また、5月に入り、連休明けで相場は一段落し、底もちあいの状況にあり、全農
の東京M規格平均価格(5月速報値)は、166円/sとなっている。

 なお、5月も補てん基準価格(173円/s)を下回ったため、3月から3ヵ月連続し
て補てんが行われることが決定されている(補てん価格は9円/s)。

今月のトピックス
増えるDHA食品

 最近、DHA(ドコサヘキサエン酸)入りの食品が相次いで登場している。DHAは、魚の油に多く含まれる不飽和脂肪酸の一種。乳幼児の知能の発達や老人性痴呆、がんの予防に効果があり、特に皮膚炎に効果があるという。
 DHA入り卵「まんてんくん」を発売したJA三重経済連によれば、DHAは酸化されやすい性質を持つが、卵黄に含ませることで酸化を防ぎ、非常に安定したものになり、また、魚の油のDHAより体内への吸収率も高いという。通常の値段は一パック(5ヶ入り)で500円と通常の卵の6、7倍するが売れ行きは好調という。



元のページに戻る