◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  冷害年イネワラの食べさせ方

                                           (岩手県  戸田 忠祐)


 東北農業試験場などが調査した冷害年イネワラの飼料特性については、 今年1月
に紹介した。 その内容は、 「イネの不稔の程度とワラに含まれる養分総量の間には非
常に高い相関があって、 Y=0. 304X+39. 8 (X=イネ不稔率) の回帰式が示され、 
また、 デンプンや糖分含量が高い半面、 粗蛋白質やミネラル含有量が相対的に低いア
ンバランスも指摘された。 このため、 県や農業団体は冷害ワラの過剰給与による、 栄
養障害の危険を喚起してきた。 」 というものである。 
 
 この間に、 冷害ワラの嗜好性が良すぎることから、 併給する自給乾燥を嫌って冷害
ワラだけを選び喰いされることへの対応策を求める要望が、 一部の地域から出された。 
 
 これに応えて、 和牛を使った、 岩手畜産試験場の実用試験がこのたびまとまった。 
 
 不稔率90パーセントを超える冷害ワラの場合でも、 これに組合せる自給の乾燥が良
質のものであれば差別喰いされることがないし、 双方を細断してよく混ぜ合わせる手
間も必要がない。 
 
 ただし、 養分充足度が160パーセントのレーションであっても。 完全に食べきること
から、 充足度110パーセントの給与設計を守ることの重要性が再確認された。 



 


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