この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
(群馬県 福島 宗二郎)
古くから多くの優れた種豚と肉豚を産出してきた群馬県。 昭和30年から40年代の高度成長期に、 本県の養豚は需要の増大を受けて企業規模 的な多頭数飼育の養豚経営へと進展してきた。 その結果、 短期的により多くの産肉量が可能な飼料の開発や飼育方法の改善、 中 型種から大型種への改良が進んでいった。 その反面、 品質面で、 いくつかの問題が でてきた。 これに対応するため、 高崎市、 安中市、 群馬郡、 佐波郡等の広域市町村において、 養豚の先進国から血統の優れた原種豚を導入し、 行政機関も関与しながら豚の育種 改良を進めてきた。 優れた指導者にも恵まれ、 13年もの歳月をかけて種豚生産者と肉豚生産者が、 共 に手を携えてきた努力の結果、 消費者に好まれる良質な豚肉を効率よく生産するた めの品種改良及び肥育管理技術が確立された。 この農家集団で生産された豚肉を上州銘柄豚 『クイーンポーク』 と銘打ち、 消 費拡大を図っている。 この上州銘柄豚 『クイーンポーク』 の特徴は、 ・筋肉繊維が細かいため軟らかい上に歯切れが良い。 ・筋肉内に目では見えない脂肪が介在し、 赤肉と脂肪が一体となった美味しさがある。 ・肉色は理想的な淡い紅色をしており光沢がある。 ・肉汁がほとんど出ない為、 日持ちが良い。 この特色ある 『クイーンポーク』 は、 各方面から引合いがあり、 着実に販売網 を広げ消費者に大変喜ばれている。