この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
(群馬県 青木 孝)
褐Q馬県食肉公社は年間約1, 400トンのウインナーソーセージを生産して いる。 食肉加工で一番重要なことは原料肉の仕入れ条件だが、 幸い日本で一番 出荷頭数の多い群馬県食肉卸売市場に隣接しているという地の利があり、 ほぼ 全量、 生肉の使用が可能である。 当社は自社ブランドを持たないので、 一般にはちょっとなじみの薄い存在だ が当社の製品は高崎ハムのウインナー、 群馬県経済連のウインナーとして県内 のすみずみ、 あるいは関東、 東北地域にまで広く愛用していただいている。 創 立当時と比べ、この16有余年の間に消費者の好みが大きく変わった。 設立当時 の主力生産品はスキンレスウインナーであったが、 現在では天然腸使用のあら びきポークウインナーである。 この 「あらびきポークウインナー」 は現に多くのお客様に好評で 「これほど の人気の秘密はどこにあるのだろうか」 と、 不思議がられているが理由は単純 明解。 群馬県産の新鮮な豚肉を使用しているからである。 原料肉が新鮮でない とパリッという食感がでない。 また原料に生肉を使用する場合は凍結原料と違 って解凍工程がなく、 肉のうま味が流出しないので、 化学調味料に頼らなくて も製品に自然のうま味が出せるからである。 食肉加工品の良し悪しは原料肉で 決まるという鉄則があるが、 「あらびきポークウインナー」 がお客様からこん なに愛されているということを見ても、 この鉄則が真実であることがうかがえ る。