◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

  経営危機が鶏卵の直売を促進

                                                          

                    (愛知県 伊藤 和郎)


 愛知県西加茂郡小原村の川口浩さん (55才) は昭和50年に養鶏を開始し、成鶏
2万羽の経営に取り組んでいる。 最近の低卵価を乗り切ることと身体に障害を
持つ長男の社会参加の場作りも含めて、 平成元年に 「たまご村」 と名付けた店
 (66u) を町内に開設し、 鶏卵の直売に踏み切った。 
 
 店舗は、 「田舎だからこそモダンに」 と考え、 カガミ張りで一見レストラン
を想像させるものである。 隣には、 烏骨鶏などの放鳥園を設置し、 自由に入場
できるようになっており、 消費者と鶏とが触れ合い、 経営者に親しみが持てる
ようにしてある。  販売品は卵 (赤や青い殻の卵、 有精卵、 平飼い卵など) が
主力で、 他に鶏の燻製、 卵油なども取り扱っている。 お客さんは名古屋、 豊田、 
瀬戸方面からが主で、 固定客も増えており、 特に土日は繁盛している。 
 
 新鮮、 良質、 安全な卵生産をモットーにし、 卵は水洗いせず、 汚れている卵
は布で汚れを拭き取っている。 また、 集卵機を午前中は休みなく稼働させ、 鶏
舎に長い間卵を置かず汚れを付けないようにし、 新鮮な生み立て卵の供給に力
を入れている。 平成6年1月には身障者の働く場づくりと経営の発展を考え
て、 第2店舗 「たまご村」 三好店を同郡三好町に開設し、 直売強化を図ってお
り、 周辺養鶏農家もこれに刺激を受け、 直売に取り組むようになってきている。 


 

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