◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

「岩手の馬肉」 生産・消費拡大が本格的に始動

(岩手県 菅原  好秋)

  岩手県は、 古来より駿馬の産地として全国に名を馳せており、 深い愛馬精神
と広大な山野を活用して、 優良馬が生産されてきた。 
 
  しかし、 最近、 馬の市場価格は、 平成元年度をピークに低落傾向にあるのに
加え、 馬肉の県内需要が少ないことなどもあり、 担い手が極めて少なくなって
いる。 
 
  そこで、 消費者のグルメ志向や健康志向に対応した収益性の高い肥育馬の生
産振興と、 県産馬肉の地元消費を積極的に推進するため、 馬産農家や関係団体
で構成する(社)岩手県馬事振興会は各種の生産消費拡大の取組みをスタート
させた。  

  その一つは、 伝承されてきた優秀な飼養技術を活かして、 馬肉の大消費地で
ある九州地域と提携した肥育事業の取り組みである。 これは、 計画的に肥育素
馬の指定保留を行い、 おおよそ 850kg以上に仕上げた上で出荷するものである。
 
 二つ目は、 県内の県産馬肉の消費拡大を図るため、 PR用パンフレットやノボ
リを作製したり、 積極的に事業を展開している宮守村農用馬生産組合を中心に
して特色ある地元産品として新鮮馬肉の販売や飲食店、 レストランへの馬肉料
理の提案・販売を行っていくこととしている。 
 
  このような県内外に対する肥育馬の出荷や馬肉の消費拡大対策は、 県内の馬
産農家に希望と活気を与え馬産振興を一層推進できるものと期待されている。 
  

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