◇ 投 稿

国産豚肉消費拡大キャンペーンと養豚経営の支援        

社団法人 全国養豚協会   部長 川 口 昭 平 


1 国産豚肉消費拡大キャンペーン
  ― ビタミンパワーだ!国産豚肉を食べて勝利をつかもう ―
  社団法人全国養豚協会 (以下 「協会」 といいます。) では、 最近の豚肉の需給情
勢、 価格動向に応じ、 たんぱく質・ビタミン等を豊富に含み、 食卓のヒーローであ
る国産豚肉を改めて消費者に認識してもらい、 その消費拡大を図るため、 畜産振興
事業団の助成を受け財団法人日本食肉消費総合センターとの共同企画で消費拡大キ
ャンペーンを実施しています。 
 
  これは、 テレビ、 新聞を活用した広報活動を展開するとともに、 食肉小売店、 量
販店の店頭で国産豚肉料理集、 ステッカー、 ミニのぼり、 ポークマン風船人形等の
資材を用いた販売促進活動を行うなど総合的な消費拡大キャンペーンとなっていま
す。 
 
  今回のキャンペーンの企画は、 将来有力な消費者となる子供をターゲットとして、 
NHKの人気子供料理番組などで活躍中の平田実み音おさんと昨年度のキャンペー
ンから採用しているポークマンをイメージキャラクターに起用し、 新聞広告、 販売
促進資材等を作成しました。 
 
  テレビCMでは、 協会が国産豚肉の消費拡大のために制作した 「とんでるヒーロ
ーポークマン」 の歌をバックに、 平田実音さんが最近人気のサッカー姿で見事なゴ
ールを決め、 ポークマンと共に 「国産豚肉を食べて勝利をつかもう」 と叫んで、 国
産豚肉をアピールしています。 
 
  キャンペーン期間は1月20日から2月28日までで、 1月20日からテレビCMの放
送が全国32地域、 41局でスタートし、 これに併せて販売促進資材が食肉小売店、 量
販店に届けられ、 2月5日には 「ビタミンパワーだ!」 をキャッチコピーに平田実
音さんとポークマンが登場する新聞広告が、 朝日、 毎日、 読売、 日経、 産経、 東京
の各紙に掲載されました。 
 
  販売促進資材のうち国産豚肉料理集には、 豚肉のさまざまな部位を使って簡単に
出来る豚肉料理と部位ごとの国産豚肉の特徴と最適な料理法が掲載されています。 

2 協会の組織
  ところで、 協会は、 養豚生産者を間接又は直接の会員とする全国47の都道府県会
員団体から構成されています。 
 
  協会では平成元年から全国の養豚経営者の声を集め、 協会活動に反映させるため、 
つまり、 「養豚経営者の、 養豚経営者による、 養豚経営者のための組織」 を作り上げ
ることを目標に養豚組織整備活動を実施しています。  この活動を始めた平成元年
には、 都道府県養豚協会の名称の会員はわずか14団体でしたが、 平成7年1月末で
は25団体に増加しています。 このほか養豚協会という名称でなくとも、 都道府県内
の養豚生産者なら誰でも直接会員になれる都道府県養豚協会は17団体になっていま
す。 
 
  協会は、 全国の養豚経営者が結びつく組織となるまで、 今後も粘り強く組織整備
活動を続けたいと思います。 
 
3 協会の主な活動
   
(1) 国産豚肉の消費拡大活動
 協会は、 最初にご紹介した日本食肉消費総合センターとの共同企画で実施してい
る国産豚肉消費拡大キャンペーンのほか、 「PIG&PORKの祭典」 を開催して、 
国産豚肉の消費拡大に努めています。 
 
  「PIG&PORKの祭典」 は、 昨年第2回目を静岡県朝霧高原の東京農業大学
富士畜産農場で実施し、 地元はもとより、 茨城、 埼玉、 東京、 神奈川から消費者も
参加され、 大自然の中で国産豚肉のバーベキューを楽しみ、 また、 豚肉に関する栄
養の講演会や養豚生産を解説したパネル展示等により国産豚肉のすばらしさを十分
ご理解いただけたと思います。 こうした催し物がきっかけとなり、 都道府県段階に
おいても同様のイベントが開催されるようになり、 地域に根ざした生産者の顔が消
費者に見えるような国産豚肉の消費拡大が図られています。 
 
  さらに協会は、 消費者団体と懇談会を開催し、 国産豚肉の生産の現状を消費者に
説明し、 豚肉・豚肉加工品のおいしい食べ方等についても実演を交え、 国産豚肉の
PRを行っています。 

(2) 養豚経営、 技術に関する情報提供及び啓もう普及活動
 月刊誌 「日本の養豚」 を発行し、 養豚経営や情報の提供などを行っています。 ま
た、 協会の活動やトピックス等を 「養豚FAX情報」 として月に2回全国700戸の
養豚農家及び100の団体・会社等に送信しています。 さらに、 時代の要請に即した
テーマによるセミナーを毎年度開催して、 情報の提供、 技術の普及等に努めていま
す。 
  
  本年度はアメリカの養豚生産者・関係者からの拠出金による豚肉消費拡大運動等
の活動 (いわゆるチェックオフ活動) について、 その実施団体である全米豚肉生産
者協議会の副会長を招いて講演会を開きました。 

(3) 補助事業の実施
 協会は、 養豚産業振興のため、 畜産振興事業団の指定助成対象事業や地方競馬全
国協会の補助事業による各種事業を実施しています。 

(4) チェックオフ事業
 協会は、 生産者の拠出金による、 国産豚肉消費拡大活動キャンペーンの実施、 養
豚生産新技術の確保並びに国産豚肉を使った豚肉料理・加工品の新たな開発、 養豚
後継者の育成のためのセミナーや後継者の交流会の実施等の活動を行うための事業
 (いわゆるチェックオフ活動) の創設を目指して検討会を開催し、 我が国の養豚関
係のチェックオフ活動の基本的な方向を取りまとめつつあります。 来年度は、 今年
度に取りまとめる基本的な方向を普及させるとともに、 基金創設準備検討会の開催
や具体的な事業実施内容の検討等を行い、 チェックオフ活動の具体化に向けて第一
歩を踏み出す予定です。 
 
  全国の養豚経営者や関係者のご理解とご協力をお願いしたいと考えています。 
 
 

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