◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

ETによるスーパーカウの生産

(群馬県 田中 尚道)

  平成5年12月に群馬県がアメリカから輸入したスーパーカウ (略称ナケット)
は、 体型能力指数 (乳成分及び乳器の能力を総合的に表す指数) が1,400の高能
力牛で、 初産の乳量13,000kg、 コネチカット州1位、 全米でも83位の名牛であ
る。 

 輸入されるまで、 現地で5回の採卵が行われ、 119個の受精卵が採取された。 
そのうち54個が移植され、 65個が凍結保存されており、 受精卵移植の実績から
みてもスーパーカウと呼ぶにふさわしい牛である。 
 
  「ナケット」 は、 県畜産試験場に繁養され、 これまでに、 4回の採卵が行わ
れ、 譲渡可能な卵が18個採取されている。 11個が移植され、 そのうち4頭が分
娩し、 2頭の受胎が確認されている。 

 これまでに生まれた4頭のうち、 最初の3頭は雄牛で、 4月9日に初めて雌
牛がスーパーカウ2世として誕生した。 この雌牛は、 平成6年5月11日に 「ナ
ケット」 から採取された卵で、 同年7月20日に、 東毛酪農組合の獣医師により、 
同組合の酪農家で移植されたもの。 
 
 本年度も、 「ナケット」 に続くスーパーカウの輸入が予定されており、 これ
らの牛から生産される受精卵から誕生する雌牛が、 県内各地域酪農の核となり
、 乳牛改良面で大きな飛躍に貢献するものと期待されている。 

    

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