◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

関心の高い乳房炎対策

(北海道 橋立 賢二郎)

 


  酪農家の頭痛の種の一つに乳房炎がある。 乳房炎によって、 乳質や泌乳効率
の低下、 更に治療に要する費用、 何といっても大きいのは乳牛供用年数の減少
である。 その損失額は1戸当たり、 200万円とも300万円とも言われている。 乳
房炎を少しでも減らそうと、 2月15日、 昨年に続き2回目の 「乳房炎防除対策
研究会」 が開催された。 
 
 研究会は、 北海道乳質改善協議会の 「乳房炎防除対策検討会」 が主催したも
ので、 現場で活躍する獣医師や普及センター職員、 農協技術員や酪農家など、 
乳房炎に深い関わりをもつ関係者300名が参加した。 
 
 最初に搾乳システムの利用と管理についての特別講演 (十勝農協連‥西部潤
氏) があり、 続いて根釧農試やNOSAI支所など、 乳房炎防除に取り組む機
関から6題の研究・活動発表があった。 発表後の質疑では発言が相次ぎ、 乳房
炎に対する関心の高さを伺い知ることができた。 
 
 この研究会を主催した 「乳房炎防除対策検討会」 は、 NOSAIや行政・普
及、 大学や試験研究機関で構成されている。 各機関が酪農家にバラバラな指導
をするのではなく、 統一した指導を行うための統一したマニュアルの作成を行
っており、 これまで 「正しい搾乳手順と搾乳衛生」 や 「搾乳システムの利用と
管理」 など3冊の資料を発行している。 

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