◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

がんばる酪農ヘルパー

(北海道 田中 義春)

 


  年間休みなく働く酪農家に休日の夢を与えようと、 数年前に各地で発足した
酪農ヘルパーが頑張っている。 朝4時起床。 暗く寒い中、 車のエンジンをかけ、 
担当の農家へ向かう。 今日も誰もいない牛舎へ、 いつもの作業を主人に代わっ
て黙々と続ける。 
 
 北海道釧路管内のほとんどの町村でヘルパー制度を導入しており、 24名のヘ
ルパーの平均年齢は29歳と若く、 やる気満々である。 半数は福岡、 広島、 大阪、 
愛知などの府県出身者。 ヘルパーになった理由は、 動物が好きだ、 大地にあこ
がれて、 自立したいなどさまざま。 中には酪農経営を目指している人もいる。 
特徴的なのが女性ヘルパーが6人と多く、 飼料給与や搾乳などの重労働を男性
と同じにこなしていること。 
 
 年1回の専任ヘルパー研修会が2月に行われ、 トイレの設置や農家とのトラ
ブル対応法などの要望が出された。 夜はヘルパー同士で酒を酌み交わしながら
明け方まで悩みや今後のことについて話し合いをした。 
  
 「昔と違い今では100頭の乳牛頭数を抱えていたら、 隣で不幸がおきても対応
は難しい」 と言う酪農家。 それだけに、 今後ますます酪農ヘルパー事業への期
待が大きくなる。 温かくヘルパーを見守りたいものだ。 



元のページに戻る