◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

四国酪農の発展を目指す新工場が稼働

(愛媛県 山本 浩)

 


  平成5年10月に建設がスタートした四国乳業株式会社の本社工場が愛媛県は
もとより、 近県の酪農家の期待を受けて平成7年1月から全面稼働の運びとな
った。 
 
  四国地域唯一の農協乳業プラントとして四国内に4工場を有し、 年間約8万
トンの生乳を処理する同社は、 昭和43年3月の設立以来、 四国全域にわたる生
乳の需給調整を図り、 四国地域の酪農の発展・酪農経営の安定に貢献をしてき
たが、 従来の工場は手狭で、 新規設備の導入も困難であった。 そこで、 松山・
今治・高知の3工場を集約し、 設備の近代化と生産の効率化を図り、 多様化す
る消費者ニーズに対応するとともに、 余乳処理能力を高め広域的生乳需給調整
機能の強化を図るため、 愛媛県温泉郡川内町に新たに総合工場を建設し、 香川
県の坂出工場と合わせ四国内2工場体制を確立することとした。 

 新工場は、 愛媛県のほぼ中央に位置する川内町内の四国縦貫道松山自動車道
の川内インターに隣接し、 岡山へ2時間半、 香川・高知へ2時間、 京阪神地区
へも5時間余りで商品供給が可能である。 敷地面積は6万2千 800平方メート
ルと旧3工場合計の2倍、 処理能力は350トン/日で、 工場には、 ロボットが
導入され、 自動化、 省力化が進められている。 
 
  貯乳能力は約400トンで、 粉乳生産については、 時間当たり8トン、 バター
については連続製造装置が新設され、 1日当たり6. 7トンと製造能力が強化さ
れた。 

 新工場の完成が、 四国全域の酪農の発展に寄与することが、 大いに期待され
る。 

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