この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
1月25〜26日、 宮崎県小林市で、 全九州ET普及促進技術検討会(農林水 産省家畜改良センター宮崎牧場主催) が開催された。 九州各県からET(胚 移植) 従事者280名が集まり、 最近の研究成果と、 既にETを酪農及び肉用 牛経営に取り入れている優良経営・団体の事例発表が行われた。 試験研究に関しては、 現地採卵等で様々な問題点が出てきていることから、 主に採卵・移植技術の簡易安定化に関する成果が発表された。 フィールドでの優良事例としては、 現在、 移植頭数 200頭以上、 受胎率60 %以上の好成績を得ている宮崎県串間市の新生産技術推進協議会などのET の取り組みについて発表があった。 いずれも肉用牛経営農家と酪農家が一体 となったET技術の取り組みである。 肉用牛経営農家は安価で優秀な血統を 手に入れることができ、 酪農家は乳雄並びにF1よりも価格の高い和牛を受 精卵移植で生産できるという利点を十分理解した経営向上にうまく活用して いる事例であった。 質疑応答では研究・現場両サイドから積極的な討論があり、 ETに対する 関心の高さが伺われ、 改良増殖の面からこれからの畜産にはET技術は不可 欠であることを痛感させられた。