◎地域便り
| この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。 |
大きな成果を得た低コスト肉用牛生産特別事業
(愛媛県 市成 篤)
愛媛県のJA伊予では､ 肉用牛経営の安定合理化のため平成３年度から６年
度までの４年間 ｢低コスト肉用牛生産特別事業｣ (指定助成対象事業) に取
り組み､ 肉用牛部会員の中から２戸の中核農家を選び低コスト肉用牛生産の
実証展示を行った｡
２戸のモデル農家は､ 実証展示のための畜舎､ たい肥舎､ 機械の設置等を
行い省力管理技術体系の確立及び飼料作物の生産拡大による自給率の向上や
稲ワラなど未利用資源の有効活用によるコスト低減に挑戦した｡
平成６年の夏にはかつてない大干ばつに見舞われ､ ローズグラスの生育停
止により収穫ができないという思わぬアクシデントもあったが､ ほぼ順調に
事業に取り組むことができた｡
また､ 実証展示内容の普及啓もうのための研究会を設置し､ 生産コスト削
減や畜舎の環境改善などの講演会や研修会を継続して開催した結果､ 生産者
の意識は格段に向上した｡
特に､ 環境改善については､ 肉用牛部会でも積極的な取り組みがなされ､
微生物資材の使用による悪臭の低減効果は､ 付近住民からの苦情が大幅に減
ったことからも､ その効果が会員によく認識された｡
この事業による最大の成果は､ 肉用牛部会員全員の低コスト生産と環境保
全の重要性に対する意識の高まりであろう｡
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