◎地域便り

 この「地域便り」では、北海道、岩手県、群馬県、宮崎県及び鹿児島県の協力を得て、地域における畜産の新しい動き、先進的な畜産経営の事例等を紹介してます。
 

JA南さつまSPF子豚供給センターが完成

(鹿児島県 宮園 勉)

  鹿児島県の南西部、 加世田市に 「JA南さつまSPF子豚供給センター」 が平成
7年6月に完成した。 約90アールの鶏舎施設を母豚520頭規模の施設に改造し
たもので、 SPF豚 (特定病原菌不在豚) の子豚生産を行うためのものである。 
 
 施設は、 ウインドレスの離乳交配舎、 妊娠豚舎、 分娩舎、 子豚舎と管理舎、 
たい肥舎からなり、 尿・汚水は全て場内で処理するシステムになっている。 
 
 施設完成後、 直ちにSPF種豚の導入を開始し、 8月10日までに母豚520頭、 
種雄豚30頭の導入が完了し、 本格稼働に向けて動きだした。 
 
 6月中旬から毎週24頭を基準に交配を開始し、 10月から分娩が始まる予定
である。 生後70日齢で30kgまで育成した子豚を、 管内の肥育豚センターなど
に1週間に240頭程度ずつ移し肥育する計画である。 このセンターを中心と
した一貫生産体制はまだ実験段階であるが、 将来的には子豚を農家に供給販
売し、 農家段階で安全かつ高品質な肉豚の生産が可能なシステムの構築を目
指している。 
 
 センターは、 養豚事業の確固たる基盤づくりに向けての先端技術に関する
研究・定着化や、 自立農家育成のための研修機関としても位置づけられてい
る。 販売面では、 生協などと提携し、 生産から販売に至る産直事業の取り組
みについても検討が進められている。 
    

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