◎地域便り


躍進を図る群馬県家畜衛生研究所

群馬県/羽鳥 正道

 群馬県家畜衛生研究所は、 畜産試験場の施設整備に先駆けて全面的に移転を行

い、 さらに研究棟及び付属施設を拡充整備し、 平成7年11月に落成式をむかえた。



 施設は、 JR前橋駅から赤城山に向かい、 日本有数の大きさを誇る大鳥居を通り

約30分のところにあり、 畜産試験場の本館東側に接している。 敷地面積は10,000

平方メートルで、 ヨーロッパ風の赤レンガ仕上げの2階建て、 約1, 400平方メー

トルの研究棟を配置した施設である。 



 当初は高崎家畜保健衛生所に病性鑑定室として発足したが、 その後、 畜産試験

場敷地内に移転し、 独立機関として中央病性鑑定所となった。 昭和57年の組織改

正により今日の家畜衛生研究所になり、 現在では所長以下7名の職員が細菌、 ウ

イルス、 病理、 生化学検査部門に分かれ、 幅広い検査・研究を行っている。 また、

畜産県群馬の飛躍的な発展に貢献すべく、 家畜疾病に対する原因究明、 生産性阻

害要因の解明や衛生管理技術の検討会等も実施している。 



 新しい研究棟の特徴は、 1階に各検査室と解剖棟、 2階に事務室、 研修室等を

配して機能性を重視し、 さらに、 地域住民に配慮した無煙無臭焼却炉や、 細菌、 

ウイルスの各検査室内に安全キャビネットを配したクリーンルームを設置してい

る点である。 



 今後は、 整備された施設を有効に活用しながら、 従来の急性伝染病対策と多様

化する慢性疾病に対して適切な対応を検討し、 畜産農家の衛生管理技術の向上を

推進しながら、 各家畜保健衛生所と連携して畜産経営基盤の強化充実を図ること

が重要と考えている。    



【ヨーロッパ風外観の研究所】


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