◎地域便り


宮崎のスーパーおばあちゃん!

宮崎県/嶋岡 豪士

 畜産と園芸で栄える小林市は、 宮崎県の西部に位置し、 人口が約4万人の町で

ある。 この町には県内はもちろん、 県外にもその名が知れ渡っている有名なおば

あちゃんがいる。 子牛の生産を始めて50年という大ベテランの溝口ヨシエさん 

(94才) である。 



 現在でも母牛10頭、 子牛8頭の世話をする毎日が続く。 朝6時に起床し、 給餌

を行い、 8時頃に一休みして、 掃除、 牛の健康管理をこなす。 縁側に腰掛けるだ

けで昼食を済まし、 午後はそのまま作業に取りかかる。 作業は現在でも地下足袋

で行い、 年間5足は履きつぶすそうである。 最近では、 おばあちゃんの噂を聞い

て多くの人が訪れる。 応対が大変であるが、 これを励みにがんばっている。 



 おばあちゃんは、 牛の健康管理に特に注意し、 夏は日除けつきの運動場に午後

4時頃まで出す。 牛舎内の敷料には水分吸収性の良い白砂を使い、 その上にワラ

を敷き、 4〜5日置きに入れ換える。 また、 育成の段階で草を多く給与すること

で平均よりも大きく、 丈夫な牛を育てている。 



 愛情をもって接しているため、 母牛への初回種付けの成功率が80%近くある。 

調べた限りでは小林市地域の平均より高く、 平均して年1産を確立している。 



 長い経験を生かして九州各県へ牛の飼い方などの講演にも出かけており、 ユー

モアあふれる口調は中々好評である。 



 まだまだ、 おばあちゃんのパワーは衰えるところを知らない。


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