◎地域便り


全国初 「レディースファームスクール」 開校

北海道/橋立 賢二郎
 北海道十勝支庁管内の新得町に、 8月女性専用の 「レディースファームスクー
ル」 が開校した。 この学校は、 将来就農を希望する町外からの女性が、 農業や農
村に関する知識を研修するためのもので、 校舎は鉄筋コンクリート2階建て延べ
1,072平方メートル。 教室のほか、 農畜産物加工実習室や宿泊用の個室、 食堂な
どを持ち、 敷地内には3,300平方メートルの実習農場も用意されている。 

 研修は、 酪農、 肉牛、 畑作、 酪農ヘルパーの4コースからなり、 生徒が自由に
選択することができる。 酪農コースは朝夕の搾乳や牛の飼養管理全般、 肉牛コー
スは子牛の哺育や牛舎管理全般、 畑作コースは農作物の管理・収穫・出荷の研修
が主体。 また、 酪農ヘルパーコースは搾乳生理や搾乳衛生、 乳牛管理など搾乳の
プロを目指す内容。 各コースとも、 地域の農家や公営牧場などでの実務研修のほ
か、 道立新得畜産試験場の研究員や普及センターの職員などによる専門知識・技
術の講義、 地域の農畜産物を使った食品加工研修や実習農場での野菜作り、 農村
青年との交流会などへの参加も含まれている。 

 研修期間は1年間の長期コースと、 1か月間の短期コースがある。 研修に必要
な費用は、 宿泊費や1日3食の食事代 (日曜日を除く) を合わせて1か月4万円
だが、 一定以上の技術を習得すると収入を得ることができるようになっている。 

 一期生の募集は4月下旬から開始したが、 全国各地から56件もの問い合わせが
あり、 定員10名 (長期) を上回る応募があった。 新得町や農協、 畜産試験場や普
及センター、 各生産振興会の代表らでつくるスクール運営委員会で選考し、 長期
コース10名と短期コース2名が決定。 

 このように、 女性だけを対象としたファームスクールは地域はもちろん、 全国
的にも初めてとのことで、 近隣市町村では大きな関心を寄せている。


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