◎地域便り


ラップサイレージをらくらく給与

北海道/佐藤 昌芳
 北海道稚内市の植村政幸農場 (酪農) では、 つなぎ飼い牛舎を改造し、 給与粗
飼料の運搬労働を大幅に軽減している。 これは、 牛舎の飼槽部分の天井を切り取
り、 牛舎の2階から粗飼料を切断しながら飼槽部分に落下させるというもの (イ
ラスト・写真参照)。 

 同農場では、 ラップサイレージの通年給与体系をとっているが、 牛舎管理作業
の中でも、 運搬給与にはかなりの労働を強いられていた。 そこで、 ラップサイレ
ージの切断機の導入と同時に牛舎の改造に取り組み、 労働の軽減を図ることにな
った。 

 改造にかかる経費は牛舎の天井を補強する板代程度、 あとは飼槽部分の天井を
切り取るだけで、 改造も短期間で行える。 

 その結果、 軽減された労働を牛体管理などに振り分けることによって牛の変化
をじっくり観察できるようになった、 と話している。 

 農場が規模拡大、 多頭飼育へと向かうなかで、 労働力の問題はこれからの大き
な課題だが、 現在の労働力をいかに軽減し、 その労働をどう配分するか、 植村農
場の試みは今後の労働改善のひとつの方向性を示す事例である。

【<作業模式図>】

【牛舎2階作業風景】

【落下と同時に給与作業は終了】


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