◎地域便り


負けるな我が黒毛和牛

北海道/田中義春
 今年7月、 北海道網走支庁管内を一円とする北見管内黒毛和牛振興協議会が24
組合407戸の肉牛農家によって発足した。 牛肉の輸入自由化で国内はもちろん、外
国との産地間競争に打ち勝つため生産者同志の連携を深めることを目的としてい
る。 

 主な活動は黒毛和牛の飼養管理に関する技術研究で、 主要生産地としての体制
確立を図ろうとしている。 具体的には講習会や共励会、 種牛情報の収集提供、 市
場に対する要望などをまとめ、 北見黒毛和牛の確立と方策を練る。 

 従来までは肉牛全般について、 遠紋と斜網北見の2つの研究会が、 指導者を対
象に活動を展開していた。 しかし、 生産者中心の管内一円の和牛組織が必要では
ないかという意見が各地で出され、 1月から検討会議が開かれていた。 

 管内の黒毛和牛の頭数は平成2年の4,500頭が7年には9,400頭と年率14%の驚
異的な増え方を示している。 酪農や畑作と比べ、 生産規制が比較的少ないことや
大規模化と経営の工夫によって所得確保が可能となることなどから地域によって
は倍近くまで増えているところもあり、 これだけの急激な伸び率は他作物では見
られない。 

 今後、 育種改良や販路を含めた販売戦略については、 各農協及び地域単位から
管内一本で活動したいとしている。 北見地域に合った和牛のブランド化をめざし
て、 良質な牛肉を提供できるようにと期待は大きい。 この会には生産者はもちろ
ん関係機関も入っており、 形や名前だけの組織で終始することなく、 実質的な取
り組みと成果が望まれている。


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