◎地域便り


暑熱時の乳牛舎内の環境改善対策

群馬県/高橋 茂
 群馬県経済連は全農東京支所の協力を得て、 7月18、 19日の2日間、 乳牛の暑
熱対策について研修会を実施した。 

 1日目は、 牛舎構造の異なる2農場で、 最も気温が上昇する午後2時頃に、 乳
牛舎内外のポイントで温度、 風向、 風速、 湿度、 二酸化炭素濃度等を実際に測定
した。 この日、 県内の伊勢崎市、 館林市では39度を記録し、 まさに酷暑の中、 牛
とともに汗をかいた。 

 その後、 牛舎内の環境を正確に把握するため、 得られたデータを牛舎の図面に
記入して、 現状の換気で、 どこの温度、 湿度等が上昇しているかを確認した。 場
所によっては40度を越えているところもあり、 迅速な環境改善が必要であると実
感した。 

 翌日は実際に測定したデータをもとに牛舎環境の現状について発表し、 講師の
全農畜産施設サービス株式会社技術主管からアドバイスを受けながら、 今後の対
策を検討した。 

 乳牛は他の家畜よりも湿度の影響を大きく受けるため、 牛舎内に散霧機を設置
するよりも、 送風機で風を送り込んで湿度を低減させることが最重要であると再
認識した。 そのため、 牛舎内での送風機の設置場所、 設置台数、 間隔等について
細かい指導を受けた。 

 すぐにでも実行できることとして、 屋根の色を赤から白に塗り替えたり、 断熱
材の厚さを30ミリ以上にしたりすることで効果が表れることがわかった。 

 昨年、 一昨年と猛暑が続き、 夏場の牛舎内環境の良否が次の年まで大きく影響
することを経験しているだけに、 牛と一緒に汗をかいた経験を2倍3倍に生かし
てもらいたいと思う。


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