◎地域便り


農家の関心高い子豚 「隔離早期離乳法」

愛知県/石黒 武彦
 子豚の育成前期 (分娩後21日の離乳から2カ月齢まで) における豚の発育状況
は、 養豚経営を大きく左右する。 愛知県下では、 大規模飼育によって管理の省力
化が進んでいる半面、 疾病及び飼育密度が原因のへい死など事故率は3〜7% 
(目標2%以下)、 出荷までの日数210日前後 (目標190日程度) で改善の余地があ
る。 

 この中で、 離乳後における豚の疾病の防御策として、 隔離早期離乳法 (セグリ
ゲイティッドアーリーウィーニング・SEW) が渥美郡など東三河地域の養豚農家
で最近注目されている。 

 通常、 一貫経営では、 母豚・子豚・肥育豚を1か所の敷地内で飼育している。 
一方、 この方法では、 豚の発育ステージごとに、 離れた別々の場所で飼育し、 疾
病の行き来 (水平感染) を断ち切るもので、 最近アメリカで普及している。 

 廃業した仲間の豚舎を借受けて改造を行う場合や、 別々の敷地での飼育管理は
困難であるため、 現地事例では、 分娩後21日齢前後で離乳した後、 同一敷地内の
別棟の離乳舎でオールイン・オールアウト方式の採用や専用の離乳子豚育成装置 
(ピギーパーラー) などを応用したものが多くなってきている。 

 このように同一敷地内でも、 母豚群から離乳子豚を隔離する手法を応用するこ
とで、 子豚育成前期の疾病を防御し、 離乳後の事故率3%以下、 肉豚出荷までの
飼育日数200日以下を達成している事例がでている。 今後、 養豚場における衛生
環境の整備を重視した、 新しい先端技術として注目できる。


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