◎地域便り
和気 修 (わき おさむ) さん畜産局長賞に輝く
愛媛県/市成 篤
平成8年7月3日、 東京の 「こまばエミナース」 に行われた平成8年度全国優
良畜産経営管理技術発表会 (社団法人中央畜産会主催) の大家畜部門で愛媛県東
宇和郡野村町の和気修さんが優秀賞に選ばれ、 畜産局長表彰を受けた。
和気さんの住む野村町は、 「ミルクとシルクの町」 をキャッチフレーズに酪農
を始め畜産の盛んな町である。 和気さんが就農した昭和39年当時は4頭の乳牛と
養蚕に稲作の複合経営であった。 その後、 規模拡大し酪農専業経営を目指したが、
昭和52年に約120頭規模の乳用種肥育経営に転換し、 現在では和牛と乳用種合わ
せて383頭を飼育している。
その過程では、 牛肉自由化後の乳用種枝肉価格の下落を懸念して和牛と乳用種
の混合飼育にいち早く取り組み、 自由化後も高い収益性を確保するなど、 常に時
代を先取りする経営を行っている。
出荷牛の枝肉上物率 (和牛4クラス以上、 乳用種3クラス以上) は、 和牛:80
% (76/95頭)、 乳用種70% (56/80頭) と全国平均を大きく上回り、 県共進会
においても最優秀賞の首席となるなど、 県下でトップクラスの飼育技術を持って
いる。
さらに、 素牛の導入に際しては、 有名で人気 (価格) の高い子牛でなく、 長年
の豊富な経験から培われた鑑識眼により、 安くて素質の良い子牛を購入しており、
大きなコスト低減になっている。
今回の受賞は、 優良経営が高く評価をされたことはもちろんのことであるが、
畜産の町 「野村町」 でリーダーシップを発揮し、 自由化対策として自らが提案・
設立した飼料混合組合が地域の畜産生産コスト低減や枝肉上物率の向上に大きく
寄与したことや、 人望の厚さから推された県肉牛生産者協議会長としての活躍も
見逃す訳にはいかない。 関係者一同、 心から受賞を祝いたい。
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