鶏 肉


鶏 肉



12月の生産量 前年同月をわずかに下回る

 12月の生産量は11万9千756トン (▲1.9%) であった (図1)。  今後の生産指標となる12月のブロイラーひなえ付け羽数は、 5千648万羽 (▲ 3.3%) と引き続き前年同月を下回っている (図2)。 農林水産省統計情報部は、 ブロイラー用ひなえ付け羽数について、 前年同月と比べて、 1月96%、 2月99%、 3月97%と見ている (1月上旬聞き取り)。  生産量の約半分を占める主要3県 (岩手、 宮崎、 鹿児島) の12月のひなえ付け 羽数は、 岩手853万羽 (▲1.7%)、 宮崎916万羽 (▲8.2%)、 鹿児島1千66万羽 (1.3%) となっている。
◇図1:鶏肉の生産量◇
◇図2:ひなえ付け羽数◇

4〜11月の輸入量 前年同期を大幅に上回る

 7年の4月から11月までの輸入量は、 37万9千193トン (17.7%) となった。 6年11月からの急増傾向は7月までで一服した。 中国産とブラジル産はそれぞ れ、 14万2千388トン (51.4%)、 6万6千463トン (16.9%) と前年同期を大幅 に上回り急増の主因となっている。 一方、 米国産とタイ産はそれぞれ8万9千 302トン (▲0.5%)、 7万7千983トン (▲0.1%) と前年とほぼ同水準であった。
◇図3:鶏肉の国別輸入量◇
◇図4:家禽調製品の国別輸入量◇

4〜11月の推定出回り量 輸入品が大きく上回る

 7年4月から11月までの推定出回り量は、 119万5千257トン (4.6%) となっ た。 国産品は84万4千118トン (1.4%)、 輸入品は7月までの輸入量の急増を受 けて35万1千139トン (13.5%) となった。 この結果、 輸入品のシェアは29.4% と6年度の26. 8%から増加している。
◇図5:鶏肉の推定出回り量◇

12月の推定期末在庫量 10万トンを割った輸入品

 12月の推定期末在庫量は、 11万1千344トン (37.5%) と3月から連続して前 年同月を大幅に上回った (図6)。 しかし、 在庫の大半を占める輸入品は、 5カ 月ぶりに10万トンを割り、 9万8千953トン (42.6%) となった。 国産品は1万 2千391トン (6. 7%) であった。
◇図6:鶏肉の推定期末在庫量◇

12月の国産鶏肉の卸売価格 もも肉636円の高値を記録

 12月の国産鶏肉の卸売価格 (東京・平均) は、 生産量が減少したこと、 輸入 が落ち着いた動きとなったことなどから、 最大の需要期である年末を迎え、 も も肉が前月より73円高い636円/kg (5.8%) となった。 一方、 需要が弱いむね 肉は、 286円/kg (▲12.8%) と引き続き前年同月を下回った (図7)。  1月に入っても、 生産量が増えていないと見られることなどから、 1月下旬 には、 もも肉674円、 むね肉291円となった (東京・中値、 農林水産省 「畜産物 市況速報」)。
◇図7:鶏肉の卸売価格(東京)◇

12月の輸入鶏肉の卸売価格 中国産もも肉堅調

 12月の輸入鶏肉の卸売価格 (関東) は、 中国産もも肉が前月を20円上回る380 円/kg (9.5%) と堅調であった。 タイ産もも肉は395円/kg (▲2.2%)、 米国 産骨付きもも肉は278円/kg (0.4%) であった。  1月の価格は、 中国産もも肉が380円/kg (8.6%) と引き続き高値で維持し ており、 タイ産もも肉は394円/kgと前年同月並みであった。 米国産骨付きもも 肉は274円/kg (3.8%) となった。
◇図8:輸入鶏肉の卸売価格◇

今月のトピックス


−350円に開いた 「もも」 と 「むね」 の卸売価格 (国産・東京) −


 もも肉の卸売価格が10月以降急上昇しているのに対して、 むね肉は低迷してお り、 両者の価格が開いている。 特に昨年10月以降、 その差は拡大し続け、 12月は 350円となった (図7)。    もも肉の価格が上昇した要因として、 生産量の減少に加え、 久しぶりの寒い冬 で、 もも肉を使ったなべ物などの需要が高まったこと、 豚肉のセーフガード発動 で鶏肉 (特にもも肉) に外食、 加工メーカーの需要が一部シフトしていることな どが考えられる。
◇図:もも肉とむね肉の価格差◇

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