◎地域便り


畜産の伸びで史上最高の農業粗生産

北海道 橋立賢二郎

 北海道十勝支庁管内の平成7年農業粗生産額は史上最高の2,324億円に達成す

る見込み。 昭和59年にはじめて2, 000億円を超えたときから、 関係者は 「この水

準を突破」 を合い言葉に頑張ってきた。 今まで冷湿害や台風襲来などで心配され

た年もあったが、 11年間連続2, 000億円台を保ってきた。 平成7年は、 小麦の品

質低下や、 大幅な減収など、 不安要素はあったものの、 畜産部門が見事にカバー

し史上最高額を記録できそうな勢いにある。 もちろんこの生産額は道内で一番。 



 この推計は十勝支庁が行っており、 統計情報事務所がまとめた作付面積と生産

量、 ホクレンの農畜産物取扱い数量などをもとに積算している。 



 耕種部門は、 麦類が前年比52.3億円の大幅減であったが、 てん菜でカバー、 結

局トータルで0.7%減の1,249億円に落ちついた。 これに対し、 畜産部門の合計は

1,075億円、 前年比112%の増加となり、 特に、 生乳が増産基調にあったことに加

え、 個体販売価格が順調に伸びたことが増収の要因と考えられる。 



 肉用牛の生産額 (子牛・肥育牛) は204.8億円で前年に対し117%と著しい伸び

を示した。 このうち、 乳用種は減少したが、 肉専用種は子牛・枝肉価格の上昇か

ら29.8億円の伸びをもたらした。 



 このような生産額に関係者一同満足しているが、 連続12年間も2,000億円を突

破したので、 新たな目標設定が必要との声も聞かれる。 


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