◎地域便り


就農支援の研修農場設立

北海道 田中義春

 北海道別海町は、 日本でも有数な酪農地帯。 しかし、 酪農家の離農と新規就農

者の減少などが地域の問題になっている。 これらの対策として、 研修農場を建設

して就農希望者を育てる計画がある。 畜舎や飼料貯蔵施設のほか、 研修生宿舎な

どを整備し将来的には20戸程度の農業経営者育成を目指している。 研修は2年後

の98年から開始される。 



 研修内容は、 酪農技術と経営管理などの実践能力養成を基本としている。 研修

期間は3年間で、 最終年は酪農ヘルパーとして酪農家に派遣し、 より体験的な研

修を実施する。 



 現在、 牛舎施設のレイアウト・生産乳量・経費などを含めた収支計画と運営方

法について調整している段階だ。 



 北海道では、 この5年間で約2, 400戸の酪農家が離農し、 農地の集積も限界に

きているのが実態。 このまま離農が続けば、 生産力の低下はもちろん農村社会の

成立問題にまで発展しかねない。 



 都府県からの移住が進めば、 酪農振興と同時に農村自体が活性化するのではと

地元の期待は大きい。 都会、 農村を問わず酪農をやりたい人が就農できる体制整

備が重要だ。 


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