◎地域便り


新たなる発想のもと飛翔するJA倉吉市和牛若者グループ

鳥取県 片山武彦

  「JA倉吉市和牛若者グループ」 は鳥取県中部の倉吉市で結成された県内では唯

一の繁殖和牛農家の青年組織である。 (青年とはいっても40代が中心であるが。) 



 全国の和牛改良に大きな功績を残してきた 「因伯牛 (いんぱくぎゅう) 」 をも

つ鳥取県ではあるが、 他府県と同様小規模、 高齢化という生産構造からは抜け出

せず、 飼養農家戸数、 飼養頭数ともに減少傾向が続いている。 



 このような現状を打破し、 飼養管理技術の改善を進めながら規模拡大を図り、 

和牛産地として生き残るため元気に頑張っているのがこのグループである。 



 現在、 グループの構成員は11名、 1戸当たりの飼養頭数は13.5頭と倉吉市の平

均3. 0頭を大きく上回り、 子牛出荷頭数も倉吉市の3割を占めるに至っている。 

主な活動はグループ員による牛舎の巡回視察、 飼育管理方法や経営改善について

の勉強会、 先進地への視察、 近隣市町村和牛部との交流会などである。 「魔法の

薬のようなものはないので、 地道に絶ゆまない意欲と努力で経営の確立を図ろう

。」 とはげまし合っている。 



 和牛の規模拡大が進まない要因の一つに牛舎構造があるが、 昨年、 グループ員

の2名がそれぞれフリーストールとルーズバーン方式で20頭規模の群飼牛舎の建

設に踏み切った。 いずれも連動スタンチョンを装備、 作業の省力化ができる牛舎

である。 簡略できるものはできるだけ簡略化し、 牛の充分な観察とコントロール

ができるように全体の仕組みを変えていこうというものである。 また、稲作との

複合経営がほとんどであるため、 農作業が競合しない暖地型牧草のローズグラス

を栽培、 夏場の乾草調製に努めている。 

 【連動スタンチョンで省力化、多頭化を】



 既成のものからの脱却を図り、 先人が残した財産を発展させるべくグループの

活躍が期待されている。 


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