◎地域便り


耕種農家と連携したたい肥作りを

愛媛県 岡 幸宏

 久万 (くま) 町は、 愛媛県の中央に位置し、 四国山地に連なる標高1,000mの山

々に囲まれた高原で、 総面積は165.1平方kmと広大である。 その88%は林野で占

められ、 古くから農林業を主体とする典型的な山村であり、 久万銘木や高原野菜

の産地として知られている。 



 地元久万農協管内では、 松山市はもとより京阪神市場へ供給する高冷地野菜の

団地化が進み、 これに参加している耕種農家は、 牛ふん完熟たい肥の供給を求め

始めた。 以前から、 良質の肥料である完熟たい肥を安く入手したい耕種農家と畜

産農家との連携の動きがあった。 今回の団地化でまとまった量を使えるようにな

ったことから、 牛ふん完熟たい肥の供給を求めることになった。 



 そのため、 経済連肉用牛センターでは、 平成3年度良質堆きゅう肥供給促進モ

デル事業の補助を受け、 完熟処理を行う施設を整備した。 



 施設の活用概況は、 一次処理たい肥舎へ年間約11,000tの牛ふん、 鶏ふんが搬

入され、 2機のロータリー式かくはん機、 4槽の発酵槽で31日間かくはん発酵処

理される。 牛ふんの状態に合わせて鶏ふんまたは尿素を添加してC/N比、 水分調

整を行っている。 一次処理されたたい肥は、 二次処理たい肥舎で10日間ごとの切

り返しを7回以上行い、 2カ月間寝かせて出荷販売する。 



 販売にあたっては、 一次、 二次発酵時ごとに発芽試験を行い、 発芽率80%以上

のものを、 袋詰めは20kg単位で、 バラはトラックスケールで量り売りしている。 

販売推進として、 たい肥利用のパンフレット、 手引きの発行を行っている。 



 耕種農家の評判は上々で、 今後も耕種農家の期待に沿うたい肥作りを目指して

いる。 


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